約 2,367,695 件
https://w.atwiki.jp/sdvx/pages/9110.html
Help me, ERINNNNNN!! #幻想郷ホロイズムver./ COOL CREATE × 宝鐘マリンと愉快な仲間たち 原曲は元バージョンと同じく、東方永夜抄の「竹取飛翔 ~ Lunatic Princess」 2020/07/10発売のサークル・COOL CREATEの「 #幻想郷ホロイズム 」からの出典 ジャケットは実物においてリバーシブル仕様となっており、SDVXでは3曲ずつ分ける形でいずれも曲名表記が付け足されている ホイホイ☆幻想ホロイズム・シアワセうさぎ・ぺこみこマリン・Help me, ERINNNNNN!! #幻想郷ホロイズムver.でいずれも伊東ライフ側で共通 東方同人×ホロライブのコラボCDであり、多数のバージョンがあるHelp me, ERINNNNNN!!(ボーカル)別アレンジの1曲で宝鐘マリンが歌う このバージョンではテラ(少女理論観測所)によるビートまりおとの編曲、演奏となっており、SDVXでは元ボーカルアレンジで言うコール地帯を重視した編集になっている コール地帯では友情出演した兎田ぺこら(因幡てゐ)→さくらみこ(鈴仙・優曇華院・イナバ)→紫咲シオン(アリス・マーガトロイド)→白上フブキ(霧雨魔理沙、八雲藍)→潤羽るしあ(パチュリー・ノーレッジ)→夏色まつり(チルノ)→湊あくあ(レミリア・スカーレット)→白銀ノエル(西行寺幽々子)→不知火フレア(八雲紫)の順→「いっぱいいっぱい・・・」の順番となっており、SDVXでは譜面難易度によってコール地帯の引用部分が異なっている [NOV]兎田ぺこら→さくらみこ→紫咲シオン [ADV]宝鐘マリン→白上フブキ→潤羽るしあ [EXH]宝鐘マリン→夏色まつり→湊あくあ [MXM]白銀ノエル→不知火フレア→「いっぱいいっぱい・・・」 Lv CHAIN 譜面属性 BPM TIME Version Genre Illustrator Effect NOVICE 05 0628 190 EG08 東方アレンジ 伊東ライフ レッドホットスクリューズと愉快な仲間たち ADVANCED 12 1571 EXHAUST 15 2015 MAXIMUM 17 2664 条件 1プレイ中に曲名に「Help me, ERINNNNNN!!」を含む曲、「 #幻想郷ホロイズム 」収録曲をそれぞれ1曲ずつ、TRACK 1~2で選ぶとTRACK FINALで出現するので、出現したこの曲を選ぶことで常駐する 【#幻想郷ホロイズムの対象曲】 シアワセうさぎ・ぺこみこマリン 2022/04/25の「セカンドシーズン」稼働時より無条件解禁に移行され、上記の条件が不要になった + 難易度投票 NOVICE 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 ADVANCED 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 EXHAUST 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 MAXIMUM 選択肢 投票数 投票 詐称 0 強 0 中 0 弱 0 逆詐称 0 攻略・解説 譜面・楽曲の攻略についてはこちらへどうぞ 見辛さ解消の為に改行や文頭の編集、不適切なコメントを削除することがあります 名前 コメント ※文頭に[ bgcolor(#aaf){NOV}]、[ bgcolor(#ffa){ADV}]、[ bgcolor(#faa){EXH}]、[ bgcolor(#888){MXM}]をコピー ペーストすると見やすくなります コメント 楽曲やイラストなどのコメントについてはこちらへどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/ml37/pages/115.html
友人にこれ読ませたら「厨二病乙」という新しい四字熟語を作ってもらった 最近バッカーノ!見てハマった。 面白いぞ。 LAP29 視点を咲夜に転換してみるとこの物語の世界観が変わったと思うんだが 「これはどういうつもりかしら」 私は精一杯怒っている声を出してリュウに問い詰める。全てを吐き出させるために。 誰だって怒ると思うわ。 まさか、紅魔館の鍵がちゃんとしまっているか確認を取ろうと門まで言ったら、リュウが他のF-FIREパイロットと話をしているのよ。 そして、急に黒いマントを着た男がF-FIREコースを出現させ、リュウがその男の挑戦に乗った。 もし、その男がもうすこし現実味というか、一般的な雰囲気を醸し出していたのなら私もこんなに本気になって止めはしないだろう。 むしろ、彼を歓迎するべきである。リュウの友人となれば、それは警察に関係する肩書を持つ人物か、或いはとく常識を理解している人に限るだろう。 しかし、事態はそこまであまくなどなかった。 男は全身黒ずくめなのだ。おまけに、顔にまで黒いマスクを着けている。 そして、彼から感じられる雰囲気を私は安楽視することができなった。 あの時、門と私には結構な距離があったはず。それにも関らず私は彼の殺気を感じ取ることができたのだ。 それに、リュウが振り返って紅魔館にはいるときの表情には、緊張が走っていた。 もし彼がリュウの知人だとしたらリュウは肩を組むか何かをして一緒に紅魔館にはいり、すぐさまお嬢様に同居の依頼をするだろう。 それなのに、リュウのあの時の表情は、あの周囲だけでなく紅魔館の庭全体の雰囲気さえをも緊張の一色に染め上げてしまうほどにピリピリしていた。誰が見てもリュウの身に何かしらの危険が迫っていることは勘づく。 しかし、リュウは全く引く姿勢を見せない。 「咲夜。これは俺の問題だ。今回だけは譲れない」 その目はかなり真っ直ぐだった。一瞬言葉に詰まるが、ここで引いてしまっては意味がない。私は私なりの意地を忘れずに声を張る。 「許さないわよ。勝手なことをするのなら、私が止める」 私は何としてもリュウを止めようとしていることをアピールする。が、 「なら、俺は強行突破をするまでだ」 私の脅しにもリュウは目を輝かせて動じない。 なんでこんなに燃えているのかしら。私はあなたの命に危険が迫っていることを察知し、あなた案じて忠告しているのに、リュウは全く聞く耳を持たない。 「お嬢様も怒っているわ。リュウに勝手な真似をさせないように私が命じられているの」 あまり言いたくなかったけれども、しかたなくお嬢様のことを口にする。さっき、お嬢様の元に言ってどうするか聞いて来たのだ。 さすがにこれにはリュウも戸惑った様子だ。 「げ…マジかよ」 リュウは腕を組んで唸っている。 「だから、一度お嬢様に…」 私はこのままリュウを止めようとしたが、 「駄目だ。今は時間がない」 リュウは戸惑った様子を見せたものの、やはり態度は変えない。 「どうして…どうして命令を無視するまでレースをすると言い切るの?」 すこしだけいらっと来てしまった私は、リュウに言い寄った。私の言葉にリュウが言い詰る。 「お嬢様も私も、あなたの身を思って言っているの。なんで理解できないの?」 しばらく部屋の中が沈黙に包まれる。私は問いかけた。次はリュウがこたえる番だ。 丁度刻は本格的な夜を迎えようとしていた。 暖房が入っているこの部屋でも、冷気が隙間から押し寄せてくる。 少し肌寒いのは毎年のことだから問題ないが、空気が冷たいと空気はそれだけきれいになるというように、夏よりも無数の星が輝き、月により明るさをもたらしていた。 が、それも西からの風に乗ってきた雲で間もなく覆い尽くされてしまう。 しばらく間が空いたのち、リュウが口を開く。 「俺にとって、F-FIREは俺なんだ。俺からF-FIREを除いたら、何も残らない」 リュウはまるで、人生の大切な決断をしているかのような重い声で言葉を発した。 「そんなことはないわ。あなたは他のものがあるでしょう」 私は、出来るだけ今回のレースの挑戦をあきらめてもらうためにリュウの言葉をフォローしつつも否定する。 が、いままで足元を見つめていたリュウは突如顔をあげて私を一直線に見た。その目は、本気だった。 そして、リュウはまるで小さな子供にやさしく語りかけるように話しだした。 「俺がF-FIREパイロットをやっている理由が二つあるんだ。一つはもちろんF-FIREで優勝すること。これは、俺だけでなくF-FIREパイロット25人全員に言えたことで、優勝についてくる賞金とか、優勝することで名声があがるとか目的は様々なんだけど、それは全部優勝することで手に入れられるものなんだ。だから皆F-FIREに参加するし、テクニックの向上を日々おこなっているんだ。まあ、当たり前の話だわな。でも、俺には他の連中にはないもうひとつ理由がある」 「え?」 「咲夜、お前は何だと思う?」 急に問いかけられて言葉に詰まる。そんなもの、急に聞かれても思いつかない。 でも、私は考えても答えを導き出すことはできなかった。 レースに出てる限りは皆優勝を狙っている。そのことはさっきリュウが言ったことと重複するが、その目的を持たないでレースに出る人間は一人としていない。 仮に優勝が目的ではなく、誰かのアシスタントとして出たという人間がいても、心の奥底には優勝したいという、レーサーならだれでも持っている欲望があるはずだ。 しかしそれをひっくり返して考えれば、レーサーがレースにエントリーする理由はそれだけであり、それ以上でもそれ以下でもない。 だからレーサー達は日々ドライビングテクニックを磨くし、基礎知識、基礎体力を養うためにも努力している。 そして、レースを見に来る人たちも優勝を狙うレーサー達のデッドヒートを見て歓声をあげる。そうしてレースは初めて娯楽に変わる。 レースというものはそういう目的にあるものじゃないのだろうか? 「思いつかないみたいだな…」 「う…」 言葉に詰まる。 結局答えを出せなかった。私の頭では、そういう固定観念が宿りついていた。 だから、リュウが言った答えがレースとは全然関係がなかったことを理解するのにものすごく膨大な時間を必要とした。 「俺のもう一つの理由、それは皆が安心して暮らせる社会を作るためなんだ」 「え…?」 思わず素っ頓狂な声を上げる。 私には理解できなかった。その答えとレースがどう関係するのかと。それもそうだ。その理由は、私の頭の中ではすでにレース=娯楽という揺るぎないであろう先入観があったからにすぎない。 リュウは天井を見上げながら一つため息をついた。そして、目を閉じて、こう語りだした。 「俺が住んでいたトレイキョウは、銀河一発展した都市だった。町中がビルの塊で、夜も昼のように明るかった。文明もすごく発達していて、住民が不便と思うようなことは何一つとしてなかった。以前はその影響で交通機関の混乱とかもひどかったけど、いまではもう完全に解消された。もし、外の世界から見たらトレイキョウは平和な世界だったと思うだろう」 全くもってその通りである。幻想郷の生活しか覚えていない私は、文明が発達しているトレイキョウを文献で読むたびに羨ましがっている自分の姿を思い出す。 いつかあっちの世界に行って便利なものを扱ってみたいと何度も思った。にとりの発明機具よりもはるかに手際がよく、安全な機械がたくさんあるのだろう。 が、リュウは天井を見詰めたまま言葉をつづけた。 「でも、それでもトレイキョウが平和というには条件が足りなすぎた。いや、その十分すぎる条件を打ち消す恐怖があったというべきか」 「そんな恐ろしいものがあったの?」 私は疑問に思った。そこまで文明が進んでいるのなら、その恐怖を文明と文化の力で無くせばいいのではないか。 「……そっか。まだお前には俺が向こうでどんな生活を送っていたかを話してなかったな」 ようやくリュウは天井から私に視線を戻した。そして、また語りだした。 それはリュウがトレイキョウにいたころのあまりにもひどい話だった。 トレイキョウの文化と文明が持てるすべての力を発揮しても倒せないデスシャドーの存在を、私は知ったのだ。 彼がどれだけトレイキョウで暴挙を働いていたか、彼を封印するために俺達ジャスティスウィングが召集、結成されたこと、そして、リュウがどういういきさつでこの世界に飛ばされたかを。 リュウの話を聞くごとに私はやはり幻想郷にいたいと思い始めた程恐怖を感じていた。 よく物語とかで正義のヒーローと悪の帝王が戦うアクションファンタジーの物があるが、本当に実世界でもそのようなことがあるとは思いもしなかった。 あんなきっぱりと枠組みが決められる様なストーリー程ではないが、少なくともジャスティスウィングは「正義」、グラックタイガーは「悪」であろう。 が、大概そういう小説は正義のヒーローのパワーが悪の帝王のパワーと同じ、またはそれよりも大きいという裏設定が欠かせない。 そうでなければ正義のヒーローは倒され、悪が世界を支配する、いわゆる「バッドエンド」が待ち受けているからである。 しかし、リュウの話を聞いていると、果たしてブラックタイガーとジャスティスウィングのパワーの差は幾倍でどちらの方が上だろうか。 ブラックタイガーの方が3倍近くジャスティスウィングよりも強いことは容易に想像できた。 ほぼ不可能に近い実力差。それを目の前にどんとみせられても、いつか来るはずの勝利の日を待ってジャスティウウィングのメンバーに拍手を送りたい。 しかし、拍手をするにはまだ早かったようだった。 「まあ、そんなこんなで今俺はここに立っていられるんだ」 リュウは最後にそう言って自身の過去の話を締めくくった。 「で、今あなたが対戦しようとしている男は下っ端か幹部なわけ?」 私は当初の予定を思い出す。 そうだ、リュウをこの危険なレースから除外しなければ。そう思った私は話の焦点をレースに戻す。 しかし、リュウに答えはただ私を驚愕させるだけのものだった。 「デスシャドーだ」 私は固まる。 まだ少ししか話してもらってはいないが、文明と文化の塊のようであったトレイキョウをたった一人で恐怖のどん底に落としいれた恐ろしき人間。それが今紅魔館の門の前にいるというのだ。何をしでかすか分からない。 その名前を聞きおどおどする私の肩に、リュウがそっと手を添えてくれた。そのままリュウは私の目を見ながら話す。 「あいつはトレイキョウだけでなく、ブラックタイガーをいう組織をひきつれてさまざまな強盗、殺人などの悪事を働いている。トレイキョウでも毎日の様に被害者がでているのだ。俺が幻想郷に来た理由もあいつの手下に図られたのが理由だ。スーザンだって、ジャスティスウィングの隊長になってから全く笑顔を見せない。あの男一人によって何億もの人が笑えずにおびえて生活しているんだ。俺は、あいつを始末することが使命だと思っているんだ。だからジャスティスウィングに入っている。そして、それこそがF-FIREパイロットになったもう一つ、かつ真の理由なんだよ」 「……」 私は何も言えなかった。 初めてリュウにあった時のことを私は思い出した。 下の履歴、あまりにメンドイから改造させてもらいました LAP30 大切な事って人にはあまり分かってもらえないものだよね。 あの時、私はお嬢様に紅茶を届けていた時だった。 『いつも御苦労さま、咲夜』 お嬢様はあの時ちょうど呼んでいた本を読み終えていたところだった。私は、お嬢様の近くの机に紅茶を置いて、 『失礼ながら、それは何の本ですか?』 と尋ねたのを覚えている。 なんせ本の端が焼け、刷られた当時は綺麗な黒だったと思われる表紙・裏表紙・背表紙は、色がはがれていたり埃が付いていたりなどをして白くなっているのだ。 私がその言葉を発したのは、お嬢様がそんな古い本を呼んでいるのを見て、とても珍しく思ったからであった。 お嬢様は机の上に本を置きながら、 『これは向こうの世界…幻想郷じゃない、現世で書かれた本よ。ここには、向こうの世界の中心地であるトレイキョウという都市とかの説明が書いてあるわ』 と言った。置いた本の下からはわずかながら埃の煙が立っていた。 『なぜ、そのようなものを読んでいるのでしょうか?』 幻想郷の住人ならだれでもこういう質問をしたであろう。私も例外ではない。そんないきなり向こうの世界のことを調べだしたら、だれでも動機は知りたくなる。 その時、確かお嬢様に渡した紅茶は少しだけ砂糖を控えた記憶がある。その日の夕食の終りにいつもより甘いデザートを出したからである。 その紅茶をお嬢様がのんだから顔をしかめたのか、考え事をしてしかめたのかは今でも分からないが、確かに私がそれを言ったあと、お嬢様は顔をしかめた。 そして、何か唸るような声を上げた後、顔を元に戻して、 『実は、気のせいかもしれないけれども誰か向こうの世界から人間がこっちに漂流してくるような予感がするのよ。そういう運命を感じるのよね。その人間は一見普通の人間。だけど、その人間はタダものじゃない。私たちみたいに固有の能力を持っていて、さらに仲間や自分が真にピンチになった時に覚醒するような、とても強い人間だと思うのよ。その人間は向こうの世界で神がかった功績をいくつも立てて、将来の目的も非常に大きくとっている。その人間は、たぶんこの幻想郷に新たな伝説を作るわ。まあ、その人間がもし本当に来たときのために、少し予備知識をつけておこうかと思ったのよ』 と言った。 そして、お嬢様の予言通りトレイキョウからリュウが漂流してきた。そして、これも予言通り、今聞いた話を聞く限りリュウはタダものじゃないことが分かった。 リュウは、語りの締めをこれでくくった。 「だから、俺は誰が何といおうともあいつは倒す。そして、機会を作るためデスシャドーがでるレースには必ず出る。それが俺の使命、義務、そして生き様だと思っている。そして、世界を平和にしてスーザンに笑顔をプレゼントしたい。これで、理由になったと思うが、どうだ」 そして、リュウは腕を組んで壁にもたれかかった。あとは私が何というか待つという意思表示だろう。 でも、いくらタダものじゃないリュウだって、しばらくレースをしていなければ腕が落ちているのは当然のこと。やはりリュウに危険が迫っていることに変わりはない。 私はやはりリュウを止めることを試みることにした。 「でも、お嬢様が制止しているのよ。私にも意地が…」 「咲夜、やめなさい!」 私の言葉は、怒鳴り声に遮られた。とても鋭い声だった。 振り向くと、私やリュウよりももっと真剣な表情のお嬢様が立っていた。 「……」 お嬢様はそれ以上何もいわずに、その赤い瞳でリュウをきつく睨みつけている。が、リュウも引く気はないようで、覚悟を決めた目でお嬢様を見つめ返していた。 やがて、リュウはこの沈黙を破り、 「お嬢様、申し訳ありません」 といいながら深々とお辞儀をした。 「そう、それでも反抗するのね」 リュウが頭をあげると、厳しい表情は崩さずにお嬢様が怒りの感情がこもった声を発すが、 「これだけは譲れません」 再びリュウはお嬢様を見つめ始めた。 リュウとお嬢様の長い長いにらめっこは、当然のごとく辺りを重い雰囲気にしていった。 お嬢様とリュウの睨みあいを止めるわけにもいかず、他の話題を提供することもできず、私はただ二人の睨みあいを見ているしかできなかった。 窓の外は、完全に暗闇になっていた。さっきまで見えていた無数の星は、西から流れてきた雲で覆い隠され、月明かりもなくなった。 外はただ、20分ぐらいまえに浮き出たレースが、レース脇のガードビームが発している青白い光に照らされて不気味に浮いているだけだった。 二人はそのまま3分ほど睨みあっていたが、急にお嬢様が腕を組み、下を向きながら大きくため息をついた。そして、一言こうつぶやいた。 「……レースが終わったら重罰ね」 長い沈黙の末、お嬢様が折れたのだ。私は思わず、 「お嬢様、でも…」 といいかけるが、お嬢様に手で制された。 「分かっているわ、咲夜。でも、リュウは絶対にとまらないわ」 私にそう言うと、厳しい声でリュウに話しかける。 「あなたはこれでペナルティがついたわ、次の命令を聞かなかったらただじゃすませない」 リュウは真顔の表情をぴくりとも動かさずに 「なんでしょう」 と言う。 すると、お嬢様は急に真剣な顔を崩し、いつもお嬢様がみせる微笑に変わった。 そして、とても優しい声(正直言わせてもらうと、ここまでのお嬢様の優しい声はいままで聞いたことがなかった)で、 「必ず……勝って帰りなさい」 と語りかけた。 お嬢様の言葉にリュウも真剣な顔を崩して笑顔を見せた。 「あ……ありがとうございます!」 そして、弾んだ声でお礼を言いながら深深とお辞儀をした。 「礼を言う場面じゃないわ。達成できても命令無視のペナルティはしっかり受けてもらうんだから」 「必ず、勝って見せましょう」 リュウは血気盛んになってきた。 もうどんな人間でリュウを止めに言ったとしても、この熱い漢を止めることはできないだろう リュウが一礼して部屋を走って出ていく。私はその背中を目で追っていたが、 「手のかかる執事だわ…全く」 お嬢様はため息まじりに言って、リュウの走りさっていく背中は全く見ていなかった。 「お嬢様……あれでよかったんですか?」 私は不安になってお嬢様に問いかける。 私の意見は、間違っていなかったとおもう。 リュウに危険が迫っているのは確かなのに、それを知っているお嬢様はなぜリュウにレースを許可したんだろうか。 「リュウはレースの腕が落ちているはず…」 お嬢様は少し黙った後口を開いた。 「私、リュウの運命を見たのよ。彼はこのあとずっと闘い続けるわ。あの男と」 お嬢様はそう言ったあと、視線を私に向けた。 さっき、リュウに優しく語りかけていた時の目とどこかしら似ているように見えたのは気のせいなんだろうか。 「それは…」 「私がなぜリュウにレースを許可したか、あなたにはわかるかしら?」 少し考えてみる。お嬢様はリュウの全てを知っていたのだろうか。それとも、対戦相手であるあの男のことの方を知っていたのだろうか。 いずれにせよ、私に答えを導き出すことはできなかった。 「いえ……」 私は力なく首を振る。と、お嬢様はふふっと微笑し、 「リュウがF-FIREに全力を注いでいたことに何の偽りもないことはまぎれもない事実。リュウがあなたに言ったこともすべて本当だと思うわ。さて、彼がブレイクダークのメンテナンスを怠った日がいくつあったかしら?」 お嬢様のその質問に私はハッとした。 前からそうだった。リュウは執事として一切の仕事を的確にこなしていった。その作業の手際の良さは他の妖精メイドとは比べ物にならないほどであったと思う。 しかし、1パターンだけリュウが執事としての仕事を捨ててまでも、自分の寝る時間を削ってまでも自分のしたいことを貫き通したものがあった。 いうまでもない。ブレイクダークのメンテナンスだ。 私が見ている限り、リュウはブレイクダークのメンテナンスとしてさまざまなことをしている。 マシンの心臓部(エンジン、ハンドルの配線、ボディの傷のチェックなど)の確認をし、試運転をしたのちに、マシンを磨き上げる。 リュウ曰く、白っぽいボディだからすぐ汚れが目立つのだそうだ。 それを入れても、晴れの日のブレイクダークは直視できないほどに太陽の光を反射して光り輝いていた。それだけリュウはブレイクダークを磨き上げていたんだ。 どうしてブレイクダークのボディがそんなにきれいなのか。 それこそいうまでもない。リュウが毎日毎日休むことなくボディを磨き上げているからである。 それほど、リュウにとってブレイクダーク、いや、F-FIRE自体が向こうの世界にいた時から密接にかかわっていたのだろう。 まるで、私にとってのお嬢様、またはそれ以上に。 「ない…と思います」 頭の隅から隅まで見まわしたが、そのようなものは一切記憶として残っていない。当然だろう。ない記憶は頭の中に入っていない。 再びお嬢様が話し出す。 「あの子にとってF-FIREは生き様といっていたけど、もっと言葉にできないほど彼とF-FIREは親密な関係だと思うの。だから、あんなにデスシャドーという男に執着だし、F-FIREのことになるだけであんなに情熱的になれると思うの」 「……」 返す言葉がない。真実以外の何物でもないからである。 「それに、まだリュウには死相が見えないしね。大丈夫、生きて帰ってくるわ」 私はその言葉でほっとするが、それでもまだリュウがなぜそこまでしてF-FIREと密接な関係にならざるを得なかったのか、それとも密接にかかわろうとしたのか、理解できなかった。 彼が目指しているものも含めて。 お嬢様がリュウに部屋に置いてあったソファに腰掛けて、 「まあいいわ。私はレースの様子を見守るわ。あなたはどうするのかしら」 と私に問いかけた。 私は、今までこんなにリュウがこんなにかけ離れた存在にしか感じることが出来なかったことがないほどに、リュウが遠く感じた。 何か、私とはスケールが違う願望を抱き、それに向かって羽ばたこうとしている。なら、私がリュウにしてやれることは何なんだろうか。 それにはまず、リュウが何を目指しているのか、知る必要があった。それは、リュウのF-FIREのレースを見ればヒントのカケラぐらいは落ちているだろうかと考えたきっかけというか、理由でもあった。 「お供させていただきます」 私はそのように考えてから、お嬢様に一礼する。 「よろしい」 この疑問は、いつかリュウに聞こう。そう思った私はお嬢様についていくことにした。 wordで完成したところはすべてあげました。 これから更新速度が落ちます。 すいませんね LAP31 男が世間にどう評価されるかってやっぱ生きざまが大切だよね 「待たせたな!」 俺はブレイクダークをレースのスタートピットにつけて、デスシャドーに声をかける。 俺は咲夜とお嬢様に話をした後、人生で一番のスピードでブレイクダークの元へ走った。そして、きっちりマシンのセッティングを終わらせたのち、これまた人生で一番のスピードでブレイクダークをかっ飛ばしたのだ。 さすがのデスシャドーも俺の搭乗時のスピードに唖然としていたようだった。まあ、それでも全く問題はないのだが。 「随分と準備に手間がかかったようだな、リュウサトウ」 不気味に白く光るマシンを横目で見ながら、俺はマグネット越しに聞こえてくるデスシャドーの返答を聞く。 しかし、この緊張感は懐かしいったらありゃしない。なんだ?実に1年ぶりのレースってことになるのか? というか、1年をレースをしていなかったという事実の方に俺はびっくりするね。あんなに毎日向こうにいた時はブレイクダークをかっ飛ばしていたのに、幻想郷に飛ばされて以来は確かに移動手段以外には使っていなかったからなぁ。 「わりぃ」 余裕の笑みを浮かべて俺は返答する。と、それに気が付いたのか、 「ほう、随分とやる気ではないか」 とデスシャドー。 「ひさびさにあんたと対決できるんだ。燃えてくるぜ」 気がつくと、俺の声は向こうの世界でのレース直前のようなはしゃいだ子供のようなはねた感じはなく、冷たく、低く、しかしかすかに余裕と情熱が感じ取れるような感じになっていた。 それに、声だけじゃない。体がすごく慎重になっている。 向こうじゃあとび跳ねたり駆け回ったりして情熱の半端なさを体中でアピールしていたというのに、どうしたんだろう。 まるで、因縁の敵のアジトに潜伏しているかのような感覚だ。 慎重で、落ち着いていて、でもそれでいてある目的を狙う情熱もある感じだ。 なんだろう。この感覚。 向こうの世界でのF-FIREじゃあ控室で雄叫びをあげるほど気合を入れてレースに臨んでいた。 一番最初に叫んだときはF-FIRE運営委員会に近所迷惑になるからやめろと一喝されてしまった、いまでは笑って話せる思い出があるが、そうでもしねぇと俺は体の芯まで気合いがしみこまねぇらしい。 まったく、なんてめんどくさい体質だろうか。 わざわざ気合いを入れるために叫ぶなんて、まるで野生の狼か何かみたいだ。 まあたしかに、F-FIRE優勝という最上の獲物を目の前にして猛スピードで駆けていくその姿は、腹をすかした狼そのものだな。我ながら愚問を考えたものよ。 しかし、今はそんな感じじゃない。 自分でも驚くほど心が冷たい。 でも、心の芯は情熱をやる気でいまだかつてないほどの高熱に達している。自分の皮膚のあたりは落ち着きと慎重で重いが、その下は重力を感じさせないほどに熱く、軽快だ。 そうだ。俺はこういう感情に当てはまる単語を一つ知っている。この言葉はスーザンに言われて、聞いた当初はその言葉の意味がよく分からなかった単語だ。 ―――――「漲る」 と言っただろうか。 「その余裕がいつまで持つか、楽しみだ」 そんないつもと違う俺の様子に期待しているのか嘲笑っているのか、デスシャドーもいつもより随分と高いトーンでお話をされる。 「そのセリフ、そのまま返してやるよ」 まあ、俺もデスシャドーのようにテンションは右肩上がりだがな。 信号が前に降りてくる。滾る気持ちを抑え、信号に集中する。 ああ、懐かしい。この感覚は、向こうでは嫌というほどに感じていたなあ。レースがない日でも、ジャスティスウィングの毎日の訓練で、仲間とレースをしていたからだろう。 しかし、幻想郷に来てからはこういう緊張感に包まれた感覚とはご無沙汰していたからなあ。当然だろう。懐かしいと感じるのも。 おっと、感傷に浸っている暇はない。久々のレースでうれしいっちゃあ嬉しいが、さすがにメンテナンスで走るだけでは俺のレースの腕はキープできないことは重々承知している。 たぶん、俺が一番そのことについて知っているだろう。その状態で、向こうでレース漬けの日々を送っていた時代でもなかなか勝つことのできなかった難敵が相手だ、負ける気はさらさらしないが、勝つ予感はあまりしない(どうか、日本語になってないといった要旨の突っ込みは控えて頂きたい。俺だって必死に考えたんだ)。 それに… 『Three』 あからさまに機械に発音させた無感情な声とともに信号の三つの画面に『3』の字が浮かび上がる。 いよいよなんだな…一年ぶりのレースが、こんな辺鄙な幻想郷に突如現れた不気味なレースで、対戦相手がデスシャドーのみという異様な環境でスタートするんだな。 そういう風に自分に認識させると、いよいよ俺もわくわくしてきた。 楽しませてくれるんだろうな、デスシャドー。俺が向こうの世界でF-FIREのコース上で暴れていた、あの頃の情熱的な気持ちと再会させる懸け橋になってくれるんだろうな? 『Two』 信号の表示が『2』に変わる。 まさか、こんなところで一発レースが出来ると思わなかったぜ。 こんな辺鄙なところじゃあ、コースのレイアウトが全く取れなかったからなあ。見渡す限り怪しい森におおわれているんだから。 それが、この突然の来訪客によって実現したんだぜ?自分の幸運さというか、F-FIREと俺の関係の強さを思い知ったね。 『One』 今、俺は人生で一番自信過剰になっているだろうね。 自分はF-FIREのパイロットとなるために生まれてきた。自分が生まれるためにF-FIREができた。今なら自分こそがF-FIREの神様に選ばれた真のパイロットだという風にも思えてならないね。 この世界が俺中心に回っているという言葉を真顔で言えといわれても、俺は二つ返事でこなすだろう。 もう、デスシャドーに負ける気などさらさらなかった。勝つことしか頭の中になかった。 ああ……これが、いままで忘れていた、レース直前の俺なんだろうか。 『Go!!!!』 激しい怒鳴り声と共に、信号機がこれでもかというぐらいに緑色に光った。 「いっくぜえええ!!!!」 俺は我慢していた気持ちを一気に放出する。そして、壊れんばかりにアクセルを踏み込んだ。 久々のレースだ、派手に暴れてやろうじゃないか!!!! え?何?短い? すいませんとしか… LAP32 レースってやはり根性と気合がないと勝てないよね 俺はアクセルから足を離さない。それに従い機体のスピードも上がってくる。時速500km、600km、700km… これだよ、これ!この感覚!実に一年ぶりになるが、この機体が加速していく時のこの感覚にあこがれて俺はF-FIREパイロットになったんだよ。 この感覚を俺は忘れていた。だから、今この感覚が身には過ごす新鮮に感じられた。頭の中の俺も、久しぶりに味わうこの感覚が、今の俺にはたまらなかったようだった。 「さあ、祭りの始まりだ!」 俺にとってはこのレースはとても貴重な体験だった。 F-FIREの腕が相当落ちていると思われる時期にこのような大敵と対戦できること。俺はすごい奴と対戦することが大好きだということを今俺に実感させてくれた。そのたびに心の底から漲る力を感じることができるのだ。 ブレイクダークの調子も非常に良好だった。いや、いつもでは考えられない調子の良さだった。 いくら最高速重視マシンでも開始早々時速1000kmを超えたのは初めてだ。ブレイクダークも相当レースに飢えてきていたのだろう。 しかし、相手も強敵だ。レース直後のカーブでいきなり抜かされる。 相手はF-FIREエントリーマシンで最高重量のマシンを自在に操れる。重いマシンというのは旋回能力が非常に悪い代償に最高速、加速ともに高い能力を誇る。それに、デスシャドーにはグリップEかつ最高重量というハンデを補えるほどのテクニックを持つ。つまり、デスシャドーが乗ったブレイクダークというのは、加速、最高速が非常によく、カーブもきれいに曲がれるという鬼蓄な性質なのだ。 そして、ジャンプ台でも最高速の差は歴然と表れてしまう。さらに差を開かれてしまった。 「くっ…さすがにきついか…」 どんどん差を開かれていく状況に少し焦る。さすがに、今の俺の腕じゃああいつと肩を並べることもできないか… いや、しかし、まだ緩いカーブとジャンプ台しかコースを通っていない。いくら腕が落ちているとはいえ、これくらいなら昔の俺くらいの速さで走れる。 じゃあ、なんだってデスシャドーとこんなに差が開いちまったってんだ。ブレイクダークのせいか?いや、そんなことはない。今日のブレイクダークは怖いぐらいに絶好調だ。さっきも言ったとおり、最高速マシンでもブーストをかけずに時速1000kmだすことは奇跡に近い。 なのに、今日のブレイクダークは出てしまうのだ。じゃあ何が原因だ?やはり、デスシャドーが強いのか。俺と対戦しない間に腕を上げたのだとしたら、相当鍛えたのだろう。 いや、そんなことを考えている暇があるなら、この状況を打開する方法を考えないと。このままだとまずい。 そう、ジャンプ台を超えた後は細かいカーブの連続。ブレイクダークの場合グリップがBなので非常にスラリと通ることができる。 ただ、この程度のカーブならデスシャドーも難なく超えてくるだろう。多少は減速しなければならないとはいえ、ここでまた差を開かれるわけにはいかない。 「さすがにやるな…」 俺は何とか打開策を頭の中で煉る。だが、頭のどこの引き出しを引いてきてもそれはすべて外れに終わってしまう。 デスシャドーがどこかで大きなミスを犯してくれないだろうか。そうでもしない限り、この状況を打開するのは難しい。 いや、敵に期待をかけても意味がないことは分かっている。しかし…じゃなかったら何かいい案があるのか。開始早々窮地に追い込まれた俺は早速焦りまくる。 しかし、それは杞憂に終わった。 理由?俺の願いが、天に瞬いているはずの星に届いたとでも言っておこうか。今は雲で覆われて全く見えないけどな。 細かいカーブが終わった先は直角のカーブが待ち受けていた。コース自体が非常に狭く、細かいドライビングテクニックが要求されるこの場面では、いくらデスシャドーが乗るエンドレスフィアだとしても減速せずに通過することは不可能。 確実に減速して入るか、壁に当たってコース取りを取るかの選択を要求されるだろう。ただ、どちらにせよグリップBのブレイクダークに比べたら不利なはずである。 案の定俺が直角カーブに入りかかるところでブレイクダークが壁に当たって減速しているところも目撃する。 「もらったぁ!」 俺は、しめしめと心の中で思うと、ここで一気に放せると思い、ブーストを仕掛けて一気に抜かそうとする。 が、ここには遠くから見ていたら絶対に分からない罠があった。 道全体がスリップゾーンなのだ。何も知らないでブーストをかけて、時速3000kmあまりで差し掛かった俺は当然ながら焦ってブレーキを踏む。 しかし、スリップゾーンではその指示もむなしくブレイクダークは壁に激突する。 「ぐっ…」 そうか…デスシャドーはこれを知っていてわざとかなり減速してこの曲がり角に差し掛かったのか。そうでもしなければあそこまで減速しないだろう。 じゃあなぜ、デスシャドーは周りから見ても分からない隠れスリップゾーンの存在を知っていたのだろうか。 ふっ、愚問だな。よくよく考えてみろ。このコースを持って来たのは誰だ?誰がこの折り畳みコースを作った?誰がこのコースで勝負しようといった? 全部デスシャドーだ。当然、このコースの全形式があいつの頭の中に入っているのだろう。チキショウ。 俺は力いっぱいハンドルをきる。軌道が不安定になるスリップゾーンでは例え横に滑っていたとしてもコースどおりに通っているならばそのまま突進するのが道理だ。 俺はいつか誰かに聞いた、そんな都合のいい道理を今俺の都合のいいように抗って通り、なんとか直角カーブを抜けた。 が、さすがにボディEのブレイクダークにあのピンボールはきつかったか、少しマシンの損害が大きすぎた。パワーが半分を切ってしまった。確かに、あんなに激しく壁に突進したらこれも当然の結果だろうか。 俺は一応直角カーブで抜かしたエンドレスフィアの様子を確認する。 すると、嬉しいことにエンドレスフィアはまだ直角コースの餌食。どうやら重くてグリップEで、かつスリップゾーンときたら、さすがのデスシャドーも苦戦するようだ。 もしこれからまた抜かれるようなことがあったらあそこが抜けるポイントになるだろう。 とりあえず、今はエンドレスフィアと差を広げられるチャンスだ。いけると思った俺はわずかなパワーを使ってブーストをかける。 ここからは直線コースと緩やかなカーブを組み合わせたコースになる。ここである程度差をつけておかないと、ブレイクダークよりも最高速度が速いエンドレスフィアに追いつかれてしまう。 ただ、やみくもにブーストをかけるとパワーが空になってしまう。少し調節しつつブーストと仕掛けていかないとマシン自体が持たない。そう考えた俺は、ちらほらブーストをかけながら時速2000km以上を保って走行する。 この直線コースの間にはパワーポイントが所々に設置されているようだ。だから、当然のことなのだが、このエリアでは回復することができる。 今の俺の状態から見れば非常に助かるのだが、そうそう安心してもいられない状況が俺に迫ってきていた。まあ、鋭い読者なら何が迫って来たのはお察しだろう。 そいつは、影だけでなく音でも俺に迫ってきていた。 ――――ヴヴヴヴヴヴヴ 不気味なエンジン音が後方から聞こえてくるのに俺は今更ながら気づいた。ましやと思ってバッグモニターに目を落とすと、バッグモニターには不気味に白光るマシンが寄ってきていた。 そう、言うまでもない、エンドレスフィアだ。案外エンドレスフィアは早い段階で直角カーブを超えてきたようだ。まだ俺が直角カーブから抜けて20秒しかたっていないというのに… 「何!もうあそこを抜けてきたのか」 てっきりまだ苦戦していると思っていた俺は完全に度肝を抜かれた。やはりデスシャドーは強敵だ。あそこの難コースをこの短時間で乗り越えてくるとは… 「リュウサトウ。まだ終わりではないぞ」 コックピット越しからデスシャドーの声が聞こえてくる。もはや今の俺にはその声を聞くと恐怖すら感じてしまうほどにデスシャドーに敏感だった。 「くそっ、このままだと抜かされる!」 コックピット内で打開策を頭の中で煉るが、何の変哲もない直線コースに打開策が眠っているわけがなかった。そのままあっさりと抜かされてしまう。 「やばい、このままだと負ける!どうすれば…」 しかし、このコースで奴との差を縮められそうな場所は、今のところ小刻みにカーブが襲う直角コースのみ。レース内にして10%しか占めない範囲だった。 おまけに、走ってみるとスタートラインまでは何の変哲もないコース。もろデスシャドーに有利なコース設計になってんじゃねぇかよ! 「くそっ!」 俺はこの理不尽な勝負に今更ながら気づき、苦虫をかみつぶしたような顔をしていたのだろう、髪を掻きあげて悔しがった。 そして、そんな俺の様子を気にかける様子もなく、リードを広げられたままこの薄情なコースは2週目に突入する。 なかなかきびしいレースになりそうな予感がしてきた。 とりあえずここまで更新 最近短めが続くな… 前(Ⅶ) 次(Ⅸ) to HOME
https://w.atwiki.jp/propoichathre/pages/1472.html
登場人物 魂魄妖夢 白玉楼の庭師。感情の整理のつく前に、出来事が加速する。 西行寺幽々子 白玉楼の主。何かを企んでいたが、結果は……。 ○○ 白玉楼の居候。記憶を取り戻し、帰る運命になる。 帰る。 いなくなる。 それは、単に、 元に戻るというだけのこと。 一人だった。 幽々子様と、二人だった。 それが三人になった。 問題があって、いつも頭を悩ませて。 同じくらい、喜んで、喜ばせてくれた。 それがいつしか、当たり前に感じて、ました。 だから、元に戻るのではなく。 元に、戻らなくなると。 そういう風に、感じました。 「先ほどの議論を簡単に解決すると、こうなるんですよ。つまり、彼は、元の世界に帰る運命を持った人間なんです」 過去の人間だから、仕方ないと、思わないといけないんでしょうか。 幽々子様はいつか、時間が無いかもしれないと、そうおっしゃられていました。 「お勧めしない理由って、まさかこのことなのかしら、紫?」 「ええそうよ。別にあの時には理由まで聞かれなかったもの。応えなかったわ。 だから、貴女が危惧したとおりに怠惰で普遍な生活が続くだけのことじゃないし、幻想郷のバランスを欠く要素だったわけでもないわ」 紫様が幽々子様に真実を伝えているようだけれど、どうでも良かった。 私は、○○さんに尋ねる。 「○○さん」 「なんでござろうか、妖夢殿」 「何故、帰らないといけないんですか?」 尋ねると、○○さんは、辛そうな顔をしました。 「嫌な理由なら、ここに残っても――」 「そうはいかぬのでござるよ」 私の言葉を遮って、○○さんは言います。 どうやらそこに、強い理由があるようです。ここに残ることよりも、別れる事よりも。 その辛そうな顔を、私は、見ていられなくなる。 「理由は、言わなくてもいいです」 「……かたじけない、妖夢殿」 辛そうな顔をしてくれるということは、せめて別れは惜しんでくれているということでしょう。 少しは、気が紛れます。 「まあ、今すぐどうこうって話じゃないのだけれど、変える時間までにはちょっとあるわよ」 「どういうことなの、紫?」 「そうね。どこかの巫女の勘では異変の前兆ね。どこかの誰かさんがここにきて歴史改変の要素を持った。 まあ、これだけでも十分異変よね。それに、まあ、歴史食いの半獣も気づかない事でもないでしょう。 ただ、歪みが許容できなくなるまで、少しだけあるの」 「何をもって限界とするのかしら?」 「彼の年齢ね。要は誕生日。その日に、帰ってもらうわ」 拙者の生まれた日となれば、 そう、明後日でござるか……。 つまりは、別れを惜しむ最後の日も、一日しかござらぬということか。 先日は、衝撃のあまり妖夢殿や幽々子殿。幻想郷の歴々と語ることも叶わぬ事でござった。 「はてさて、如何なるものやら……」 妖夢殿はやる事があるとどこかへ行かれ、拙者は白玉楼に一人で空を見上げていた。 置かれる身の置き所こそ、因果なるものよ。 命を帯びて剣術の修行に明け暮れる傍らに探す居所。それぞ、桃花源なる極楽浄土にも通ずる楽園。 渡来人の言葉を真に受けた命ゆえ、拙者はただ修行のみをしておればよかったものを……。 「あらあら、何を悩んでいるのかしら?」 声をおかけいただいたのは幽々子殿でござった。 「拙者の、身の処し方を」 「○○ちゃんったら。そんなこと、考えなくてもいいんじゃないかしら。貴方は帰ってやる事がある。決まっているのでしょう?」 「そうで、ござるな」 命こそ戯れの一言。 すぐにでも帰り、『無かった』とでも伝えられよう。 この地、野心には相応しくない。全てを受け入れると紫殿はおっしゃられども、逆に求める野心家どもの命すら食らい尽くせよう。 ただ、その様な血なまぐささを拒絶しようとは、拙者の自己満足でござろう。 この風景、血で汚したくは無い。 「そういえば、○○ちゃんって、名前も思い出したのかしら? だったらそっちの方で呼んだ方がいいのかしら?」 「いえ、今はまだ、○○とお呼び下さらぬか」 その名が、今は自然でござる。 改名などおこがましい身分でござろうが、拙者には、今や相応しき名でござろう。 「妖夢殿は、いずこに?」 「さあ?」 妖夢殿とも、お話をしたく思っていたのでござるが。 「一つ、聞いてもいいかしら?」 「なんなりと」 「○○ちゃんは、妖夢のことを、好き?」 「……口にすれば未練となりましょう」 それは、答えたも同然の言葉でござろう。 だが、それでも口にするのははばかられた。恐れ多くもあり、未練でもある故。 「そうかしら、ね。紫の気まぐれで、こんな事になるとは思わなかったわ。いくらなんでも、時間の理に触れるなんて」 「仕方なき事。されど、ここですごした時間はとても有益な、かけがえの無き事。幽々子殿にもお教えいただいたでござる」 自覚したとすれば、その時でござろう。 いつの間に、で、ござろうな……。 妖夢殿を師と仰ぐ一方で、恐れ多くも恋慕の情もあったということ。 最初、童と見ていた御方が娘に見えていた時すでに、拙者は想いを募らせていたのでござろうな。 叶わなき事ではござるが。 「妖夢には、いい相手だと思ったのだけれど、残念ね」 「恐悦至極」 「お世辞じゃなのよ。だって、そのために呼んだものだもの」 「呼んだ、で、ござるか?」 「そう。あの子は未熟だから、傍らにいるに相応しい者が欲しいって、呟いてみたの。紫の前で。そうしたら、貴方が来たのよ」 「そうでござったか」 「ええでも、こうなってしまった。けど、感謝しているわ。妖夢はきっと、成長できるもの」 「それこそ、恐悦至極」 きっと、本当は世辞なのでござろう。 拙者の方が妖夢殿にお教えいただいたことは多いはず。拙者が妖夢殿にして差し上げた事など、雀の涙ほどか。 例え拙者に恋慕の情があれど、妖夢殿にしてみれば手のかかる弟子でござろう。 もっとも、それで良かろう。それで良いのでござる。 「さて、時間も少ないでござる。一仕事かかるでござるか」 「あら、何をするのかしら?」 「せめてもの、手向けでござる」 「そう……、後悔のないようにね」 「承知」 特に、用事なんかありませんでした。 私が今いるところは、ただの雪景色が見える場所。どこなのかなんて分かりません。 何故、こんなところにいるんでしょう……。 単に、いていられなくなって出てきてしまったような。 そんな感じです。 理由も実に単純です、ね。 「はあ……」 吐く息が、とても白いです。 吹雪くわけでもなく、深々と、静かに淡く降る雪に、身を包んでいました。 寒い、ですね。 せめて、何か考えないと、いけないですね。 このまま、逃げたままではいけないでしょう。 そう、逃げたままでは……。 雪景色が寒々と映るのは何故でしょう? それは、今までとも変わらないことなのに、とても冷たくて寂しい。 寂しいと感じるのは、多分。 雅やかな雪模様を教えてくれた、隣に立っていたあの人のせい、です。 せい、なんて、言い方は……無いですよね。 あの人のおかげなんですから。 でも、そのおかげで、今は、寂しい……。 「こんなところで何をしているのかしら?」 突然、背後から声をかけられました。 油断、気付かないなんて、なんて、私は今、ひどいんでしょう……。 声から敵意は感じられず、私は、その人に向かって振り返りました。 「あら、ひどい顔じゃない。何かあったのかしら?」 「貴女は……」 「別に思い出さなくてもいいわよ。名前も言わなくていい。私はただ、ちょっとした質問に答えてた冬の妖怪よ」 冬の妖怪。そう名乗る、白と青の様相である雪のような妖怪。 彼女はそう言って、おおらか顔をしてくれました。 「そう、なんですか」 「ええ、そうよ。まあ、といっても、ただ適当に質問に答えてただけなのだけども」 「はあ……」 どこぞの新聞のコラムでにいたような、そんな話しを聞いた事があります。実際に見たことはないですけど。 まあ、どうでもいいです。 「もしここで何もする事が無いなら、少しお話させてもらえるかしら?」 「はあ、別に……いいですけど」 「そう、良かったわ」 近くにあった石の雪を払いそこに座ると、彼女も隣に腰掛けました。私の顔を見ながら、口を開きます。 「私もね、ちょっと、嫌な事があったのよ」 「そう、なんですか……」 「そうなのよ。だって、もうすぐ春じゃない。だから私にとっては、憂鬱なの」 「そうなんですか」 何を言いたいのかよく分かりません。 いやな事って、ただ、春が来る事についてでしょうか。 「そういうわけで、もうすぐしたら私はいなくなるの」 「はあ……」 「その間にね。私のことを好きだって言った男が生きるか死ぬかの手術を受けるのよ」 「え?」 突然、雰囲気が変わりました。 「悪性腫瘍らしいのよ。人間の事ってよく分からないけど、とにかく命に関わる事らしいわ。普通は、死ぬことらしいの」 「手術に立ち会えないって事なんですか?」 「あら、ちょっとは興味を惹けたみたいね。……ええ、そうなのよ。だから、私は、ちょっとした選択を迫られてるの」 「選択、ですか?」 「ええ」 彼女は、ぼんやりと空を見上げました。 「妖怪として、その人を襲うこと」 「え!?」 「妖怪なんだから、驚く事じゃないわ。まあ、中には仲良くやれているのもいるみたいだけど、それはとっても特殊なもの」 「そうです、けど。割り切れるんですか?」 「だから、選択を迫られてるの。もう一つ、私の生き方を、考えてるの」 「生き方、ですか……」 また、彼女は私の顔を見ました。 「手術の成功率は、あの天才が五分の保障をしてくれたわ」 「それって……」 「ええ、半分は、失敗するの。それに、術後の経過で一年は様子見。もしかしたら、手術に成功しても容態が急変するかもしれない」 「あんまり、ですね」 「ええ、ひどいものよ。人間って、弱いわよね。嫌になるわ……」 ひどく憂鬱そうな顔で、彼女は言います。そんな彼女を見て、私は、一つ尋ねたくなりました。 「その人のこと……」 「何かしら?」 「貴女は、その人のこと、好きなんですか?」 彼女は、……ひどく、 穏やかな顔をしました。 「分からないわ」 「でも……」 聞いている限りでは、彼女はその人物に対して、好意的であるように感じられます。 「でもも何も無いわ。そういうことなの」 「そういうこと、なんですか」 「ええ、だけどね」 彼女は顔を背けるように立ち上がって、 「いなくなると、悲しいとは思うのよ」 泣く様な声で、呟きました。 「やっぱり、近しい人がいなくなるって、寂しいですよね」 「そうね」 気持ちの整理がつかないけど、ただ単純な感情は、今も心にあって、冷たく冷たく、滲みこんで来る。 邪険にしていたあの頃が嘘のように。 隣に自然にいた今までが幻のように。 答えにならない気持ちが霞のように。 思い出しては消える、走馬灯のよう。 「貴女が別れる人は、好きな人なのかしら?」 「分かりません」 こちらの事を知っているように言うけれど、それよりも今は、彼女の真摯な問いを自分に移して考えたい。 「嫌いじゃないのでしょう?」 「はい」 「なら、見送ってあげなさい。今みたいに、向き合わないで別れたら後悔するわ。今こうしてる時間だってきっと後悔する」 「貴女はどうなんですか?」 「今は自分のことを考えるべきよ。まあ、参考程度に答えてあげるわ。私は……、もう、言う事を言って済ませたわ」 「後悔のないようにですか?」 「ええ。妖怪の一生は人間に比べたら長いもの。だから、その長い時間に引きずるわけには行かないの」 まるで自分本位の言葉だけれど、彼女はそれに付け加えた。 「彼も、私の中で枷になることを望んでいない。だから、私の行動は、彼の意思なの。貴女は、どうしたいのかしら?」 「私は……」 どうしたら、なんて。 今ここまで言われて、思いついたことなんて……。 「今思いついた事があったら、そうしなさい。簡単に思いついた事が、ちゃんと出来たか出来なかったかでも、後に残るものだから」 「そう、ですね……」 心のうちを読まれたようだけど、確かに言われたとおりだと思う。 ああ、そういえば。 いつか、○○さんも言っていました。 『妖夢殿。妖夢殿は妖夢殿らしくあってほしいでござる』 『然り。後ろ向きに悩むことはござらん。真っ直ぐにしていて欲しいというのが、拙者のわずかばかりの願いにござる。 聞き届けていただけるでござろうか?』 何を、うじうじしていたんでしょうね、私は。 「あら、憑き物の落ちた顔をしてるわね。あ、でも、半霊にこういう言い方をしてあってるのかしら? まあ、それはともかく、もう大丈夫ね?」 「ええ、大丈夫です。ありがとうございました」 「私は何もしていないわよ。でも、どういたしまして」 気持ちに整理もつかないし、かける言葉も思いも分からないけれど。 ただ、逃げたまま。 悲しい別れにしたくない。 笑顔で、 あの人と同じ笑顔で、送ってあげたい。 思いついたことは、ただそれだけで……。 それだけでも、やっておきたい。 酒無くて何の己が桜かな。 では、ござらぬか。 一人晩酌に盃を傾けるが、酔いもせぬなら気分も晴れぬ。 花の無くして何の酒か……。 「○○さん、何をしているんですか?」 「妖夢、殿。……お戻りでござったか」 すでに時の遅く、夜も十分に暗くなってから、妖夢殿はお戻りになられたようでござる。 「用事はいかがだったでござろうか?」 「用事は……、ありませんでした」 「なんと……?」 言葉の意味を図りかね、妖夢殿の顔を見る。 否、夜闇が表情を覆い、読み取れず。月明かりも雪明りも弱々しき故、ご拝顔もかなわぬ。 「私も、お酒をいただけますか?」 「む、承知仕る」 言の葉の意気や、なにやら沈むかのごとく静か。 されど、悲嘆の意も読み取れず。 「いただきます」 「どうぞ」 くい、と、妖夢殿は一気に盃を傾けられた。 「酔い飲みっぷりでござるな。妖夢殿」 「○○さんは、もう飲まないんですか?」 「これまでに散々飲んでいたでござるよ」 「私から注いだら、飲んでくれますか?」 またも、意を図りかねる。 しかし、断る理由などがあろうはずもなく。 「喜んで」 思えば、妖夢殿と落ち着いて酒を飲み交わす事は始めてであったと、思い至る。 その事は、妖夢殿も、どうやら御承知であったよう。 「今まで、けっこう忙しかったんですね、私たち。今までこんな機会、いくらでもあったはずなのに」 「左様でござるかな」 「はい、左様です」 妖夢殿は盃を傾け、拙者もそれに習う。 酔えぬ酒でござったが、今は打って変わり、美味いと思える。 「やはり、花でござろうな」 「なんですか?」 「何でもござらぬ。妖夢殿」 口にすれば成る未練。なれば、そのことを秘めしままに、拙者は帰ろう。 だが、その前に、 「約束が、あるのでござるよ」 帰らねばならぬ理由を、妖夢殿には告げねばなるまい。 「約束、ですか? 誰と?」 「大事な御方にござるよ」 「大事な、人……?」 命とは違い、単なる約束事。 しかし、それは拙者が剣術に励む理由に繋がりしこと。 「左様。その御方と、真剣勝負の約束があるのでござるよ」 「真剣勝負……。男の人ですか?」 「左様でござるが?」 「あ、いえ、それで、剣術を頑張っていたんですね」 「そうなのでござろうな。否、そうでござるよ」 ただお話しておらぬこともある。 命にせよ、約束にせよ。 どちらも、拙者は命を落としかねぬ事である事を。 言う必要も、あるまい。 「じゃあ、大丈夫ですね」 「大丈夫、で、ござるか?」 「はい。○○さんは、真っ直ぐに、一生懸命頑張ってました。何の憂いもありません」 「左様で、ござろうか?」 「はい、左様ですよ。○○さん」 ここでようやく、つきは妖夢殿を照らす。 美しき、笑みを、お見せくださった。 「ちゃんと、笑って見送りできるようにしました」 「……」 意は問わぬ。分かる事ゆえ。 今日を外し、こうして笑っていただけるその御配慮、想い。 なんと、嬉しいことでござろうか……。 妖夢殿は、自分が口付けていた盃に酒を注ぎ、それを拙者に差し出した。 「どうぞ」 拙者も、それに応える。 受け取り。 拙者の盃に酒を注ぎ、妖夢殿に差し出す。 「どうぞ、妖夢殿」 「はい、いただきます」 盃酌み交わす。 そこにある想いも交わし、傾け、一気に飲み下す。 その味に勝る銘酒なし。 「美味い」 「美味しい」 とは、口をそろえて出た感想。 そして、返礼としての全て。 「妖夢殿」 「はい」 「ありがとうございまする」 「……はい、がんばってください」 これにて、白玉楼の居候も終わりと相成る。 良き花と良き酒のとの別れは難く、悲しいくあれど。 妖夢殿の笑顔に報えるよう、 笑って別れようぞ。 <幻想郷の白岩さん> ※誠に申し訳ありませんが、担当者不在のためお休みになります。 月日は百代の過客にして、行きかう人もまた旅人也。 この言葉を表したお方は拙者の生まれし世より後の人物。 なるほど、と。 拙者が没するであろう年月よりも先の言葉を知る事になる時の因果よ。 自身もまた、月日の旅人。逆しまに歩む望郷への念、欠しかれど。 さもありなん。 我が世は、今この時にあり。しかれば、留まる事こそ本懐也。 だが、叶わず。 なさねばならぬ事があるゆえ。 「あら、帰るの?」 「うむ。お世話になり申した、霊夢殿」 所は博麗神社。拙者と見送りに同行された妖夢殿と、神社の主たる霊夢殿がこの場に居合わせる。 結界の都合上、この場所が良いとは紫殿の言。 当の紫殿はといえば、まだ現れぬところ。 出る際に少しばかり髪を切り、すでに旅立ちの覚悟は済ませているのでござるが。 「ふうん。まあ、あなたなら大丈夫だと思うけど、元気でやりなさい」 「かたじけない」 「じゃあ、私は外すわ。時間まで妖夢とでも話していなさい」 「左様でござるな。霊夢殿、お達者で」 「ええ、またね」 「おさらば。これにて御免仕る」 霊夢殿のお別れはあっさりしたもの。物事に固執する事が少なかれば、悲しさもなし。寂しさは、あれども。 そして境内、人の姿なし。 あるのは拙者と、妖夢殿の姿のみ。 沈黙の時が降りる。言葉にするような別れは、当に過ぎたようにも思える。 昨夜に酌み交わした酒。未練にもなりはしようとも。 「行かれるのですか」 静かに、妖夢殿がおっしゃられる。 「それが拙者の古き約定ゆえ、違えることは出来ぬでござる」 「そうですか……」 沈んだ声でござった。拙者の別れに、悲しみを抱いていただけるのならば僥倖とも。 拙者も、悲しみがあれども、それを口にする事ははばかられる。 「いなかった間の事、なんていうつもりですか?」 「ふうむ、そうでござるな。一乗谷で燕と稽古していたとでも言うでござるよ」 「燕、ですか?」 「うむ。妖夢殿は燕でござるよ」 速さ、強さはもとより、優しさゆえに。 妖夢殿は口を閉ざされ、どこか視線をさまよわせる。 しからば、拙者より、切り出すべき。 「いろんな事が、あったでござるな」 思えば、幻想郷に来た数奇なる運命。様々な出来事があって、翻弄されては喜び、過ごした日々の数々でござった。 「行き倒れたのを見つけたときには驚きました」 「その後、幽々子殿のご厚意にあずかり、居候の身になり」 「庭師見習いをしながら剣の修業、でしたね」 出会い。 立ち行かぬ我が身を、妖夢殿はしぶしぶといった風情で身請けしていただいたのでござった。 「霊夢殿と出会い、射命丸殿には取材を受けたでござる」 「異変がどうとか。それと新聞の部数が増えたとか、でしたね」 霊夢殿との出会いもあり、その後に射命丸殿とお知り会いになったのでござった。 実に、さばさばとしているのは霊夢殿。 快活なる記者である射命丸殿。 「秘湯への旅もござった」 「あの時は、すみませんでした」 「なんの。これも思い出でござる」 しっかり者と思うた妖夢殿の本質を垣間見たときでもござった。 相応に、あるものと、このとき思えればこそ。 「香霖堂にも縁がありましたね」 「霖之助殿とは男の友誼を固く結んだでござる」 「その後に現れた布切れ一枚は悪夢でしたけど」 「魔理沙殿には御世話になったでござる」 「弾幕ごっこの稽古もよかったのですが、命がけなのは感心しませんでしたよ」 「クリスマスの時は、あちこちの人に彫刻を贈ってましたね。あの時はいいものを頂いて、ありがとうございます」 「それはこちらも同じ事でござるよ」 「新年は紅魔館で宴でござったな」 「メイド姿には驚きましたけど」 「蛍のたゆたう雪景色をご一緒したでござるな」 「スペルの訓練もしましたね」 「宴では彼のお三方に真髄を賜ったでござる」 「いつの間にかぼろぼろでしたね」 「妖夢殿より彫り物の課題を頂いたでござる」 「昔の事を、気にかけ始めましたね」 「幽々子殿に反魂蝶を受けたときには、生きた心地がしなかったでござる」 「そんなことがあったんですか!?」 「あったでござるが、これも必要な事だったのでござるよ」 それなくば、今はここにこうしておられぬだろう。 我が身の危険ではなく、己が気持ちの自覚について必要でござったから。 「みなすべて、良き思い出でござる」 それも、傍らにおられるお方がいたがゆえ―― 「本当に、行くんですね」 「武士に二言はないのでござるよ、妖夢殿」 再三のご心配、まるで妖夢殿が拙者に未練でもあるかのよう。それも、思い違いでござろうが。 そして、拙者の未練ともなろう。ただそれを、拙者はこのまま持ってゆくのみ。あろうはずの一念も、既に託した後ゆえ。 が――、 「私に出来る、せめてもの手向けです」 「妖夢殿……」 妖夢殿は、刀を、抜かれた。 携えし剣の名を白楼剣。人の迷いを断つといわれる、妖夢殿のお家に伝わる名刀。 これは、良きかな。 「良い思いでは、良い思いでのままで。あなたの枷にならないように、前に進めるように、断ち切ってあげます」 「妖夢殿……。かたじけない」 断ち切るならば、せめてご本人の御手によって。 是非もなく。 否、 願っても……、無い。 妖夢殿の御手に携われた白刃は、拙者に向かい真っ直ぐに構えられる。お顔は、凛と、らしくある。 これは、未練になるはずもなし……。 おさらばでござる。 白楼剣を手にしていた私には、まだ、未練があった。 この剣で、○○さんの世界に対する未練が消えれば、あるいは、と……。 けど、それは押し付けがましく、高望みで、誰に対しても優しくない。ただ、自分に甘くするだけの未熟な事。 ○○さんの師匠らしく、できない。 そんな自分が、情けなくありながら。 私は、剣を、振り下ろした。 「時間よ」 いつの間にか現れた紫様が刻限を告げていた。 別れも、すぐ近くにあった。 「これにて幻想郷ともお別れにござる」 「そうですね」 変わったところもなく。 でも、少しばかり、顔は晴れやかで。 「では達者で――」 私は、未熟さゆえに、 断ち切った。 「……見知らぬ方」 「!?」 私は一体、何を断ち切ったのか? 旅立ちという名の別れの言葉を口にし、幻想郷の名を口にした彼から断ち切った、名を紡がれる事のなかった自分の事。 未練は、元の世には無い。 幻想郷にしてもない。 欠けたからこそ分かった、一番の未練。 あろう事か自らの手で断ち切った。 ○○さんの一番の、 未練――想い 彼は、頭を下げて背を向ける。 その背に掴みかかろうとして、手を伸ばし、そして、 掴めなくて……。 拳を握り、声を殺し。 自分を殺し。 ただ、一言を、 「さよう、なら」 とだけ、搾り出した。 「良かったの。あれで?」 お別れが済んで、紫様もお帰りになって、それからどれくらいか経ってから、不意に、 いつの間にかいらっしゃった幽々子様が話しかけてきました。 「いいんです。私は、私で、断ち切ったのですから」 「早まった事しちゃったわね」 「そんなこと、ないです」 「そう?」 「そうです。未練があって、実力が発揮出来なければ、修行した意味がありません」 あの人の大事な約束です。そのための枷にならないために、私は、白楼剣を使ったのだから。 「……そう」 「そうです」 「ねえ?」 「なんですか?」 「泣いてもいいのよ?」 「泣きません。泣く事はありません。私は、最後まで笑顔で見送りますから」 「そうなの。でも……」 「なんですか?」 「貴女の笑顔、泣いてるわよ?」 涙は流れていないのに、 私の笑顔は、泣いていた。 白玉楼に戻って、私は自室に帰りました。 気持ちが疲れているのかもしれない。 けど、○○さんを笑顔で見送った手前、情けない姿ではいられません。 それに、私はあの人の師匠だったから、もっと胸を張っているべきだと、そう思います。 「ふぅ……………………………………あれ?」 部屋の隅に、見慣れないものが目に付きました。 どうも小物の様。 「これは……」 木材を綺麗に磨き上げたような、そんな置物。 何を模しているかは分からないし、そのまま、気を磨いただけにも見えました。 多分、これは、あの人の……。 「どういう意味なんだろう、これ……」 私が、好きなものを、と。 しかし、これは、なんだろう? あの人が残してくれた、私が好きなもの、なんでしょう。 これには、どんな意味が……。 「これ……」 よく見たら、蓋のようなものが。 とりあえず、開けて……。 「……え?」 入っていたのは、髪。 意味を図りかねていると、蓋の裏に、文字があることに気付きました。 そこには、 「ぁ……」 『我が心、妖夢殿の元に在り』 気付かないわけには、いかない。 整理がつかないと、自分に言い訳をし続けて、 手を伸ばしかけたくせに、掴まず、理性的に努めて。 こうして、ようやく気付いて。 「わ、た、し……」 斬って、落とした、 あの人の心に対する、私の想い……。 「あ、ああ……」 好きだったんだ。 「う、うああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」 私は、 泣きました。 後、歴史に強いあの人に尋ねるところ、おおよその推測がなっていました。 生まれをおよそ安土桃山の時と。 ともすれば、人間である以上は400年ほど前に、没しているのでしょう、とも。 あの人は、戻った世で、どんな景色を見たのでしょう。 願わくば、幸せであった事を、願います。 本当に、心の底から。 <幻想郷の白岩さん> A.質問は来ていないけど、一方的に伝えるわね。 ●●、あなたを助けた冬の妖怪の事。 雪女のことは、忘れなさい。 貴方の病気が完治したときに私がいる保証も無いもの。 人間同士の付き合いに、妖怪の話題は禁物ね。 これは、貴方を思っていっているの。 分かって頂戴。 貴方は無事に治る。これは絶対よ。 じゃあ、今までありがとう。 さようなら。 あの日から、一週間、といったところでしょうか。 「残念ですね。○○さんがいなくなるなんて。せめてお別れくらいしたかったです」 そう言うのは文さん。○○さんともけっこう親しくしていたみたいですし、そう思う気持ちも当然あるでしょう。 少し、ちくりとしました。 「すみません。急な話だったので」 「いえ、別に妖夢さんを責めているわけじゃないですよ?」 「そうですか」 正直な話、責められても仕方ないと思います。 実際、変える事が決まってから一両日はありました。その間にでも、文さんくらいなら容易に駆けつけられたでしょうし。 これも、私自身が未熟だったからこそ。 「しかし、妖夢も悲しかろう」 もう一人、ご一緒していた慧音さんからも一言。 元々ここには、○○さんの本当の時代について聞きにきたのですけど。 「寂しくはありますけど……」 悲しいとは、口にしません。 「胸を張っていないと、○○さんに申し訳ありませんから」 それが、結局のところ、私が得た結論であり、覚悟でした。 「そうか……野暮な事を聞いた」 「いえ」 「それで、彼のいた時代についてだったか」 「はい。せめて、少しだけでも知っておきたくて」 未練、とは、思います。 本来は本人に聞くべき本人の事だけど、もう、いないから。 「ふむ。言語野については、多少こちらの寺子屋の入れ知恵もあって参考にはならない。知識からあたれば、おおよその見当はつく」 「本当ですか?」 慧音さんは鷹揚に頷き、 「実に、400年ほど前のだな。現在の外来人の知識と稗田の文献と私の知識を参考にして、それほどだ」 「そんな、時代に……」 「でも、それって……」 文さんは、気付かれたみたいです。 「うむ。そういうことだ。人間の、運命だな」 既に、あの人は……。 「そうですか。ありがとうございます」 「つまらない話をしてすまなかったな」 「いえ、分かっていた事です」 時代が違うのだから、分かって当然のこと。 「さて、妖夢。この後何か用事があるかな? せっかくだからお茶でもしていくがいい」 「あ、いえ、せっかくですけど……。この後用事が有りますので」 用事は、幽々子様のお使いの事。 場所は彼岸で、別に珍しい事じゃない。冥界は元々幽霊を受け入れる場所ですから。 「残念ですね。妖夢さん」 「ええ、すみません。では、これで」 「あ、ちょっと待ってください」 去ろうとする私を、文さんが引き止めました。 「なんですか?」 「あ、これ、これです。本当は新聞の記事に使おうと思っていたのですけど」 取り出したのは一枚の写真。 そこに映っているのは、私と、○○さん。 あのとき、文さんに弾かれそうになった○○さんをかばって、写真にはまるで寄り添ういあうように映ってしまっている。 「これは、載せられませんから」 「……」 「もらってください。というよりも、妖夢さんのものです。これはもう」 思い出は、風景を切り取った一枚の写真の中に。 いつまでも変わらぬ風景を残す写真を、あの人は風情があると言うでしょうね。 「……ありがとう、ございます」 「どういたしまして」 「それでは、今度こそ失礼しますね」 「それではな」 「はい、さようなら」 冥界に、幽霊を迎えにいく。 取り立てて珍しい事じゃないですし、時には人魂灯をもって大勢を誘導する事もあります。 また、今回のように、ただ一魂を迎えに行くことも。 ただ、それが、と……。 今は邪念が浮かぶ事を禁じえない。 すでに、期待は裏切られてるから。 一週間のうちに、彼岸に足を運んだけども、期待通りのことは無い。いや、最初から望みがあったことじゃないから裏切るも何も無い。 また、仕事をする。 それだけのこと。 ああ、でも、 あの人のように、もう少し、風景を見て、歩こうと思います。 彼岸の渡し場に、幽霊がいました。 正確には、亡霊、でしょうか……。 男の人の背格好というだけで、少し期待をしましたけど。 当然、違いました。 「ああ、冥界の方ですか?」 「はい、そうですけど」 実に普通に話しかけてくる人です。 「それでは着いて来て下さい。これから白玉楼に行きますから」 「あ、いえ、そうじゃなくて……」 「? 何でしょう?」 ずいぶんと歯切れの悪いその人は、なにやら思案するように頭を抱えながら、切り出しました。 「私じゃないんですよ」 「違うんですか?」 「はい。私はここの渡し守の……、そう、同僚ですね」 「ああ、そうでしたか。それは失礼しました」 「いえ、それはいいんですけど。実は……」 「実は?」 「貴女にお迎えいただく予定だった魂が、どこかへ行っちゃったんですよ?」 「は?」 これは、聞いたことも無い話です。 ともすれば、亡霊が未練の有った場所にでも行ったのでしょうか? 「詳しい事は小町さんが来れば……、あ、来ました!」 視線の先を追う。 私の背のほう、来た道から小町さんがやってきました。なにやら、困った様子で。 「さって、どうしたもんかねぇ……」 「小町さん、どうでした?」 「ん、ああ。お手上げだね。どこに行ったか見当もつかない」 小町さんとその同僚という人はそろって頭を悩ませているようでした。 「見つからないんですか?」 「ああ、妖夢。そうなんだよ。こいつはちょっとした失態だよ。映姫様に怒られちまう」 「怒られるだけならまだいいですよ。もしかしたら説教地獄に減棒も覚悟しないといけないです」 「うわ、まずいねえ」 二人は一層、頭を悩ませているようです。 「探すの、手伝いましょうか?」 「あ、頼めるかい?」 「構いませんよ。特徴を教えてくれますか。……といっても、幽霊は見た目に違いがありませんでしたね」 しゃべれもしないし、おかげで区別もつかない。 でもまあ、幽霊がその辺を浮いていれば分かるような……。いえ、幽明結界はほころんだままだし……。 この際、全部つれて帰りましょうか……。 「いんや。あいつは人の姿だよ」 「あ、では亡霊ですか」 「まあ、そんなところじゃないのかい。でもまあ、あんな明るい亡霊じゃあ、何も呪いやしないだろうね」 「小町さん……。そうもいかないでしょう」 同僚の人が呆れています。 生前の姿で映る亡霊は、意識なく人を死に誘う。そこに悪意が無いだけに、お互いにたちが悪いでしょう。 「では、せめて背格好でも」 「ああ、そうだね」 「それなら、私から説明しましょう」 と、突然、誰かの声が割って入った。 いち早く反応したのは小町さん。 「え、映姫様! これはちょっと、いろいろと……」 「何を慌てているんですか小町。別に、貴女を責めようというわけじゃありませんよ。 裁きが終わって冥界に移送する幽霊について、伝えるだけです」 「う、うう……」 何か泣き所を突かれた様に、小町さんは力なくうなだれました。 「では、説明します」 「お願いします」 こほん、と、一呼吸、置きました。 「日、月、星といった自然の気質を現す三精。次いで、誕生の春、成長の夏、衰退の秋、死の冬と生命の流れを意味する四季。 そして、五行、木火土金水。これらの組み合わせで自然を表します。その周期を積で言って六十年」 「あ、あの、それが?」 どうも、背格好や幽霊に対する説明には聞こえません。元々、閻魔様は説教魔ともありますし、これはただ説明好きなためでしょうか。 これは、以前に聞いた事があるんですけど……。 「花の事件のときに……」 「ええ、お話しましたね。さらに、これに六道をかけて見ましょう。六道輪廻……、いえ、 転生していませんから六道巡りとでも言いましょうか。転生六回分をふいにしたとも言えますね」 「あの……」 「それが360年。さらに、六道一転してきたとして、その後こちらですごしたおよそ40年。計400年ほど」 「……」 そこで、閻魔様はため息を吐きました。 「最後の40年も、浄化と裁きですよ。転生を拒み、この『時』まで待ったと言うのですから。もう、お気づきでしょうか?」 400年と、その数字に聞き覚えがある。 でも、確信に至れないのは、真実を聞いていないから。 それとも……。 「一応、背格好を伝えておきましょうか。性別は男、背は貴女より大きく、体格はあなたに鍛えられたくらい逞しい。 顔は、貴女の好みじゃないでしょうか?」 そう言って、閻魔様は、にこりと笑いました。 「そんな人がいて、帰るとしたら見当がつくかと思います。行って、迎えてあげてください」 「は、はい!」 ――走る。 彼岸から冥界が、こんなに遠いと思ったことは無い。 ――走る。 過ぎ去る景色が、まるで走馬灯のように流れる。 早く、過ぎてしまうのは、もったいないというでしょう。 ――走る でも、景色を見るなら、 ――走る 思い出として、景色を見るなら、 ――走る 隣に、いるんです。 ――――走る! 要るんです! 白玉楼。 二百由旬とも謳われる広大且つ雅やかな庭。 そこには、我が方自慢の桜並木。 秘奥の桜、西行妖。 その前、に……。 いつか、 あの時、 掴み損ねた背中が、あった。 「はぁ、はぁ……」 全力で駆けて、息も絶え絶え。 最初に、どう声をかけたものかも分からず、ただ、その背を見つめる。 息を整えて、せめてかける声に淀みないようにしたいと。 しかし、同時に思い出す。 未練は断ち切った。 想いは、斬り落とした。 私の手で。 そこに、本当に何と声を出せばいいのか……。 でも、 でも……、 逃げないで、私から、今度は、今度こそ―― 「○○さん!」 あらん限り、届く声で、拳を握って見送った背にぶつける。 振り返る、その人。 こちらを見る、どの目。 ああ、間違いない……。 「妖夢殿。お久しぶりでござるか……。おっと、とはいえ、数日振りでござるな。 よもや、あちらに戻ってたったこれだけで帰ってこようとは、情けないやら面目ないやら」 嘘を吐いてる。 本当は、およそ400年の月日を耐えしのいできているのに。 覚えてる。 私のことを。 「いやはや、件の勝負に拙者負けましてな。全く、妖夢殿の弟子として不甲斐無きこと。 これからはますます鍛錬に励むゆえ、妖夢殿、今一度――」 「○○さん!」 もう一度、私の口から出た彼の名が怒号になって遮った。 嘘つきと、叫びたい。 本当は長い時間をかけてここに帰ってきたのに。 嬉しいと、泣きたい。 断ち切られた未練の中でも覚えていてくれた事。 でも、 一番、叫ばないといけない事が、 ある。 魂魄家当代、魂魄妖夢。 一世一代の、清水舞台 「好きです!」 言の葉は切り込む一刀の一振りの如く。 斬られた○○さんの、顔は……。 口の端を、きっと結び。 目を閉じ。 少しゆがめて、 笑みとなった。 「燕は、拙者の方でござる。また、返った、……帰ったでござる」 燕は帰巣本能があり、また、もとの居場所に帰ってくるという。 だから、そう表したのでしょうか。 だから、○○さんの居場所は、ここだと。 「拙者も、好きでござるよ。妖夢殿」 その言葉を聴いた瞬間に、私の足は、駆け出していた。 今迄で一番遠い距離で、 今迄で一番愛しい距離を、 今迄で一番早く、縮める。 どんと、体当たりするように、抱きつく。 揺れない、ここにある、○○さんの体。 ここにいる。ここにある。 「おかえりなさい、……○○さん!」 「ただいまでござる。妖夢殿」 かつて、未練を断ち切られしとき、 しかして、断ち切れぬものもあった。 未練は消えども、想いは消えず。 後ろ向きでなく前を向くためとあれば、消える道理もなし。 『次は手を貸さないわ。貴方が、自分であの子への道を見つけなさい』 紫殿の、別れ際の一言。 六十年の周期ごとにかすれそうな記憶に負けじと、想いは募った。 思い続けて幾星霜。 さ迷いて出でたこの地にて見つけた、かけがえなきこと。 この御方、妖夢殿共に、拙者はあろう。 共に、三精、自然に触れよう。 季節を、四季を見よう。 五行の如く感情に、心に触れ合おう。 この、 一番、愛しき人を、 抱きしめ続けようぞ。 <幻想郷の白岩さん> ※突然ですが、当コーナーは今回より終了とさせていただきます。 人間が一人、寝込んでいる。 そこに妖怪が押し入るなんて、とても簡単なこと。 バン 勢いよく、扉を開いてあげる。 ここには何度も来たから、どうなってるかも知っている。 家主は布団に臥しているみたい。 それは前から知ってる事だけど。とにかく、当人に用がある。手っ取り早く、そこまで言ってみる。 すると、家主の当人が、目を丸くしてこちらを見ていた。 顔は少しこけたかしら。病人らしくなりすぎね。 まったく、これじゃあ――、 「ど、どうしたんですか、レテ――」 開きかけた、その口を掴んで黙らせた。 彼は、また別に意味で目を丸くしている。それもそうでしょうね、いきなり押しかけて口を閉ざされたら強盗みたいだし。 でも、そういうことじゃないのよね。 「いいかしら。雪女っていう昔話知ってる? 昔、気まぐれに命を助けた雪女がその男と恋に落ちて家庭を持って、 その後正体をうっかり漏らしてしまった男の命を子供を想って奪いきれず引いてしまう。そんなお話よ」 彼は、私の言葉をしっかりと聞いて、頷いた。 「そういうことなのよ」 理解が得られたところで、口を離す。 「けほ、けほ……」 「あ……、ちょっと。大丈夫?」 少し、やりすぎたかもしれない。 でも、そうやって口止めしないと元も子もないし。 「あ、大丈夫ですよ。えっと……」 「ああ、そうね。名前ね。同じだと問題あるかしら。好きに呼んだらいいわ。 思いつかないならさっきのお話からとって『お雪』でもいいわね」 「お雪、ですか……。それで、着物を着てるんですか?」 「あら、気付いたのね」 「それは見たら気付きますよ。似合ってますよ」 「そう、ありがとう……。ああ、でも、そんな事を聞きに来たんじゃないのよ」 素直に褒めてくれたことは嬉しい。人間らしくしてみて着たけど、実は、ものすごく嬉しい。 でも、順列は守らないと。 「じゃあここで、お便りを読む事にするわ」 「レ……お雪さん」 「ああ、やっぱり面倒ね。レティでいいわ。人間にも同じだ名前はいるでしょうし」 「あ、はい。それでレティさん」 「なにかしら?」 「ここでそれを呼んで、正体とか……」 「だから、貴方が口外さえしなければいいのよ。じゃあ、読むわね」 Q.白岩さん、あなたのことを愛しているのですが 結婚を前提としたお付き合いをしていただけませんか? 彼は、●●は、顔を真っ赤にしてたわ。 そして、もう一枚。 Q.白岩さん、いえ、レティさん。 先ずは匿名を希望した無礼から謝罪させていただきます。私は●●、しがない一人間です。 確かに今回の告白は早計でした…。しかし、あなたを想うにつけ募りに募るこの思いは、伝えずにはいられませんでした。 妖怪? だから何だと言うのです、誰に否定されようと糾弾されようと、どんな問題が起ころうと、私は貴方を愛し通します。 冬の間だけ? 私は、貴方を目にする度に恋に落ちてしまうのです。三ヶ月の幸福の為ならば、九ヶ月など何でもありません。 ですからどうしても、お願いです。友達でも良い、貴方の傍に居させてください 軽く固まった彼を横目に、ちょっと笑っちゃったわ。 「で、どうかしらね?」 「え?」 「あ、この場合、私が答えるほうなのよね。ああ、そうそう。 私はここで言うところの白岩さんって言う雪の妖怪じゃなくて、そうね……、特殊な代弁者」 「特殊、な?」 「ええ、私にとって、本音って言う事」 A.こちらこそ、私のそばにいてくれてありがとう。 これからも、そばにいて……。 結婚して頂戴。 聞いた、彼の顔。 もっと、真っ赤になってたわ。 私の顔も、多分、ものすごく赤いでしょうね。 「と、いうことなんだけど」 「……でも」 言いたいことは分かってる。でも、言わせない。 「あら、私がこう言ってるのにひどいわね。遊びだったの?」 「そんなつもりはありません! 真剣に――」 「なら、私も真剣よ。どうせ、体の事がどうとか思ってるんでしょう?」 「そうです、けど……」 「人間の言葉に、『病は気から』って言うのがあるのよ。 ついでに貴方の言う事の悪性腫瘍とやらが気持ち一つで治癒する例もあるそうよ。これは、その為のこと」 「その、為の?」 「あら、勘違いしないでちょうだい」 つい、順番が逆になったけど、これも言わないといけない言葉。 「私は、貴方が好きなの。だから、貴方といたい、生きていて欲しい」 「レティ、さん……」 「言い忘れたけど、『さん』もいらない。レティって呼んで、あなた」 「そんな、気がはや――」 「それくらいの気持ちがないとダメ。早く治して。そして、結婚して、人並みの夫婦みたいにいちゃイチャしましょう」 そこまで言って、耐えられなくなって。 真っ赤になった顔を隠すために、彼の胸に飛び込むようにして顔をうずめた。 「レティさ――、レティ?」 「ねえ、ちょっと駆け足でいろいろ言っちゃったけど、本心なのよ?」 「……はい」 「分かってるわね」 「はい」 「だったら、貴方からも、言って」 「……好きです……。好きだ、レティ」 そこまで、聞く事が出来て。 私はようやく顔を上げた。 「合格」 合格のご褒美は、今一番近い顔と顔の、アレ。 続きは、ちゃんと治ってからよ? ▲ あとがき ながらくやってきました、本シリーズ。 ござると妖夢、白岩さん。これにて終了となります。 なお、糖分保管のため幾つかおまけが収録されておりますのでお召し上がりくださいませ。 おまけ1 「あらあら、なるようにあったわね」 白玉楼にて、妖夢殿のあれだけ大きな声を聞こえぬはずもなく。 拙者と妖夢殿が抱擁しあうところに幽々子殿がいらっしゃった。 「ゆ、ゆゆゆゆゆゆ、幽々子様! こ、これは、その! あの……」 「別にいいのよ。むしろ、目標どおりよ」 「目標、でござるか?」 「ええ。妖夢に(未熟なところが直るような)素敵な恋が出来ますようにって」 「あの、幽々子様。今何か聞こえたような……」 「あらあら、妖夢ったら気が早い事。祝言の日取りだなんて」 「そんなこと言ってませんよ!?」 「嫌なの?」 「嫌じゃありません!」 「あらあら、素直ね。○○ちゃん。遅れたけど、お帰りなさい。それと、ご成婚おめでとう」 「幽々子殿。ただいまでござる。まこと、めでたき言葉、感謝いたしまする」 「なんで貴方までそんなに気が早いんですか!!」 「世が世なれば、当然でござろう」 拙者が知る限り、男女の契りは知り合ってから早いものでござる。 「妖夢殿。異論ならば、これは――」 「あ、その、嫌じゃないんです。だけど、その、まだ早いと思うんです……」 「あらあら、妖夢ったら初心ね」 「うぅ。幽々子様、からかわないでくださいよ」 「幽々子殿、拙者の妻をあまり苛めてくださるな」 「つ……!?」 「大丈夫よ、○○ちゃん。ああ、お布団は一緒の部屋に一つでいいわよね?」 「幽々子様ぁ!?」 「むう、それが通例ならばお願い申し上げます」 「なんでそこだけ意味を分かってないんですかぁ!!」 おまけ2 「あら、貴女は……」 「初めまして。私はレティ。この人の妻になったの」 「あら、そうなの。病人なのに、すごくタフなのね」 「その、そういう言い方は止めてください」 「そうよ。いろいろと、治ってからなんだから」 「レティも、もう少し自重してください」 ●●は弄ると可愛いのよね。 もしかしたら、その辺はこの医者の通じるものがあるかもしれないわ。 あ、でも、手出ししたら許さないけど。 「まあ、いいわ。それで今日からこの永遠亭に入院っていう形になるんだけど、貴女はどうする気なのかしら」 「もちろん、彼の介護をするわ」 「そう。じゃあ、隣にベッドを用意させるわ。くれぐれも、旦那様に無理をさせないようにね」 「あら、それくらい分かってるわ。大丈夫よ。お楽しみは後にとっおいた方がおいしいって言うもの」 「あの、二人とも、女性がそんなことをいうもんじゃ……」 「あら偏見よ。それに、男の人が下品な事を言うよりもオブラートに包んだ表現なのよ」 「貴女にお薬が必要なときは私が飲ませてあげるわよ。口移しとか、期待してもいいわよ?」 「レティ!?」 「ここは診療所なんだけど。まあ、事と次第によっては産婦人科になってもいいわよ」 「先生も!?」 「まあ、こんな風になったら、治らなきゃ損よね」 永琳は、寝台から離れたわ。ようやく出て行ってくれるようね。 「貴方達の選択、敬意を評するわ」 それは、私たち二人の存在のことを言ってる。 でも、そんなこと、 「余計なお世話よ」 好きだから。 理由はそれだけなのよ。 結婚するのも。 治ってもらうのもね。 永琳が部屋から出て行くのを見計らって、彼に話しかける。 「ところであなた」 「なんだかその呼び方くすぐったいけど、何?」 「子供は何人くらい欲しい?」 「あ、あの……」 「オーソドックスに一姫二太郎ね。理解のある夫で嬉しいわ」 「……、あははは」 病は気から。 だったら笑えばいい。 ほら、彼を笑わせるなんて、簡単。 最初に、彼に言葉をもらってから、ずっと彼のことを考えてたんだから。 妻として、当然ね。 おまけ3 妖夢です。 なんだかすごい事になってます。 今、○○さんと一緒のお布団で寝てます。 なのに、 「ぐう……」 (なんでそんなぐっすり眠れるんですか!!!) 一緒の布団に入ってるのに、一緒にいるだけでもどきどきしてるのに、なんだかこれじゃあ不公平じゃないですか! それに、この体勢、おかしくないですか!? 私、○○さんに抱き疲れてますよ!? もう、抱き枕ですよ!! 顔近いですよ!!! ……○○さんの寝顔が可愛いですけどね! ちょっと軽く自我崩壊寸前です。 ちなみに、とっても暖かくて、幸せです。 少し背を丸めると、○○さんの抱擁にすっぽり収まって、気持ちがいいです。 少し顔を上げると、○○さんの顔がすぐ目の前。 もうちょっと頑張って、首を伸ばして……も、これは、ちょっと届かないです。 ああ、でも、こういうことはもう少し雰囲気のいい場所でした方がいいですよね。 雰囲気で言うなら、○○さんは期待を裏切りませんから。 「妖夢殿」 (ビクゥ!!!) 名前をいきなり呼ばれて全神経で警戒状態になり、それが寝言だと分かって一気に脱力。もう一度、ちょっと顔を見上げる。 と、そこで、○○さんは少し寝相が変わって。 (うあ! 顔が、近い! 鼻が! 鼻と鼻が! 当たってる! おでこも!) 色々と密着状態。 恥ずかしくて息が止まりそうです! どうも、まともに眠れそうにありません。 おまけ4 私と○○さんは、里を歩いていました。 言ってみれば、逢引のようなものです。 お使いですけど、逢引なんですよ!? いろんな人に散々からかわれましたけど! その度に、○○さんが妻妻いって嬉恥ずかしでしたけど……。 と、遠目に、見覚えのある女性を見つけました。 その女性は男性と歩いています。 ああ、そうなったんだ……。 あちらも私に気づいたようで、声をかけず、でも微笑んでくれました。幸せそうです。 おめでとうございます。 「良かったですね」 小さく呟くと、それに○○さんは反応して。 「どうしたでござるか、妖夢」 今ではすっかり呼び捨てにしてもらえるようになりました。 まだ、あなた、とは呼び難いんですけど。遠くから、小さくは言ったりするんですよ? 「いえ、なんでもないですよ」 「左様でござるか」 「はい、左様です」 そして、○○さんの腕にぎゅっとしがみつき、彼も、握られた手から指先を探して絡めてくれる。 ああ、人を好きになるって、素敵ですね。 好きな人と一緒にいられるって、素敵ですね。 ねえ、レティさん。 ───────────────────────────────────────────────────────────
https://w.atwiki.jp/th_izime/pages/869.html
パロディ成分がかなり含まれています。 ある程度公式設定をベースにしていますが、自己解釈が多量に含まれています。 話の都合上、取るに足らないオリキャラが出現します。 SFっぽいあたりは、都合のいいとこだけ引っ張ってきたエセ科学描写なので 嘘9割と思って読んでくれると助かります。 幻想郷が安全であることに気づいてからずいぶん経った。 魔理沙が骨壷の中に入ってからで数えると三十年くらい。 巫女はその間に十回ほど代替わりした。 瀟洒な従者も今はもう居ない。 つまるところ、あれから百年ほどの歳月が経過した。 鈴仙は変わらぬ幻想の空を見上げて溜息をひとつついた。 どこまでも青かった空はもうそこにはなく、秋特有の午後の日差しと 乾燥した大気が、大自然の美しさと容赦の無さを無言で物語る。 初冬の肌寒い風がスカートの下を抜けていく。思わず身震いした鈴仙は、 廊下に出るのをやめて部屋に逃げ込んだ。 どうも最近感傷的でいけない。 永遠亭は百年前と何も変わらずいつも通りだ。 師匠も、姫も、てゐも、生まれては短い生を謳歌して死んでいく兎たちも そして私も。 百年の間に調剤の腕も上がった。薬学の知識も増えた。 だがそれだけ。単調な日々が終わることなく繰り替えされる。 蓬莱人と共に在るということはそういうことなのだろうか。 いや、私の努力不足も多分に影響しているのだろう。そうだ。 例えば人里。人間が怖いのはいまだに治らない私の悪い癖。 例えば兎角同盟。百年を経ても地上の兎たちと心を通わすことに成功していない。 例えば― 月 百年くらい前は、まだ月から私を呼ぶ声が聞こえた。 私以外の兎を呼ぶ声も聞こえた。 それ以外の目的の声を聞いたこともあった。 それが、かなり前から・・・そのことを魔理沙に話した覚えがあるので 多分四十年かそこらだと思うのだが、ともかく、そう、聞こえなくなった。 私は今でも暇があれば月に向かって耳を欹てた。 へにょり耳などと茶化す向きもあるが、普段から耳を伸ばしていたら 聞こえなくてもいいものまで聞こえて鬱陶しいから畳んでいるのだ。 でもこの時ばかりは、受信効率が最大になるように耳をピンと伸ばす。 昔は聞こえた。今は聞こえない。 何も聞こえない。何も。 私の部屋の卓袱台には、湯飲みに二分目くらいしか残っておらず、茶葉の沈殿した 見るからにまずそうな冷めた緑茶が置かれていた。片付け忘れた産物。 私はその液体を口の中に流し込む。不味い。 先ほど感じた肌寒さが不快にいっそうの拍車をかけた。 「・・・・」 だが、その不味さを口いっぱいに受け止めても、 ざらざらした茶葉の残渣が舌の上を転がる異物感を堪能しても、 私の憂鬱さが晴れることはなかった。 座布団を出してそれに乗り、頬杖をついて、鈴仙は考えた。 月兎、地球外生命体にして妖兎、蓬莱人のペット。 そう、蓬莱人のペット。 最近の私のメンタルは自らの立場にまで疑問を投げかける。 私は遠からず死ぬ。主人と比較して相対的に、の話だけれど。 霊夢や魔理沙が死んだように、私も、死ぬ。 あの人形遣いやハクタクがいずれ死ぬように、私も、死ぬ。 仲の良かった、というと語弊があるので訂正しよう、唯一気の許せた人間たちが 死んでしまってから、私はそれを強く意識するようになった。 そして私は罪を背負って生きている。 この罪は生きているうちに償うべきものなのか、死んでからあの閻魔に裁かれるに 任せてしまうべきなのか、どうもよくわからなかった。 昔は呆れるほど楽観していたと思う。 此処が安全なら、隠れたりせず遊んでいればよかったなどと、莫迦げた台詞を吐き 月の存在がさも永遠であるかのように、姫や師匠と同様であるように捕らえていた。 罪滅ぼしをやるなら早いほうがいいだろう、そう考えてはいたが、 いざ実行にうつす気はなかなか沸いてこなかった。 蓬莱人と共に在るということはこういうことなのだろうか。 蓬莱人と共に生活し、蓬莱人のペースに合わせてものごとをこなしているうちに 私はいつの間にか私自信も、永遠の命を手にしているかのような感覚を抱いていた。 死んでいった彼女たちが、それは錯誤にすぎないことに気づかせてくれた。 死人に口無しだが、死は饒舌だ。 私は気づいた。この百年間を無為に過ごした事の罪深さを。 償う対象である月が滅びるに任せていた、自分の浅はかさを。 最近、森の中にある、外の世界の品物を扱っている店に出入りするようになった。 外の世界で、地上人たちが月を相手に何をやっているか知りたかったからだ。 ともかく、本を求めた。立ち読みに精を出している妖怪と顔見知りになったりもした。 結果、私の手元にはいくつかの書物がある。 西洋の文字で表題が彩られた書物、宇宙機と思しき乗り物が表紙になった書物、 いろいろあって、出版時期もこの半世紀くらいのうちバラバラで連続性もなかったが 私はそれらの本から、地上人が月面に恒久基地を作り上げ、自治政府すら 機能させているらしいことを知った。 師匠と姫にもこの話を振ってみたが、まったく興味を示さなかった。 曰く「あっちも博麗大結界みたいに、常識と非常識の結界を作って潜り込んだのよ」 曰く「月が危うくなったから、都ごとかついで外宇宙に逃げ出したんじゃない?」 曰く「まぁ、滅んだところであんな場所、帰りたいとも思わないしね。そうでしょ?」 果たしてそうなのだろうか。それでいいのだろうか。 蓬莱人ではない私は自分に問う。蓬莱人ではない私はそれに答える。 よくない。いいわけがないじゃないか。 逃げるという別れ方は最悪の別れ方だ。 けじめがつかない、故に後ろ髪を引かれる思いがする。 忘れることができない、故にいつまでも悩み続けなくてはならない。 月が地上人に征服された、それはどうやら事実のようだ。 それが幻影の月でなく、本物の月なのははっきりしている。 私が受信したSOSコールがなによりの証拠だ。 そうであるのなら、月人はどうしているのだろう。私が置いてきた彼らは 一体今頃どうなっているのだろう。 私が償うべき対象は今・・・ そこまで考えたところで鈴仙はいったん思考を打ち切った。 座布団とお尻の間に挟まった足が痛くなってきた。正座など長時間続けるものではない。 女の子座りに切り替える。圧迫感はなくなったが、今度は膝関節に苦痛を感じた。 どうも駄目だ。脚を伸ばすしかないらしい。有機系の身体とは不便なものだ。 幽霊や妖精が羨ましい。そんなことを考えつつ、卓袱台から離れて 座布団を枕に仰向けで寝ようとして、ようやく気づいた。 「てゐ?」 襖が半分ほど開かれ、そこからてゐがこちらを覗き込んでいた。 「鈴仙様」 てゐの眼は寂しそうな色をしていた。百年前も今も、てゐの瞳は兎の瞳であり続けた。 百年後にはどうなっているだろう? 「何か、用?」 「鈴仙様、眼が死んでる」 3秒ほどの沈黙の後、私は部屋の一角にある本棚の上の鏡を覗き込んだ。 疲れた顔が現れる。 ひどいものだった。頬杖をついた部分に痕がついて赤くなっているし なにより自分の赤い瞳が、さび付いた金属のような赤銅色になっていた。 一体どれほどの間考え込んでいたのだろう、私は。 一体どれほどの間、てゐは私を眺めていたのだろう。 「・・・は・・・あはは、そうだねてゐ。驚かせてごめんね。ちょっと私―」 私の取り繕うような乾いた言葉を遮って、 てゐは言った。 「鈴仙様、最近ずっと其れ。悩んでるなら行動したほうがいいよ」 「・・・」 「妖怪は肉体より精神のほうが脆いんだから」 てゐは、視線を私から外して、そう呟き、襖を閉めた。 廊下を遠ざかっていく足音だけが私の耳に伝わり、消えた。 怒られてしまった。 予定通り横になるものの、憂鬱さは解消しなかった。 得たのは、気だるさと眠気と、硬い畳に身体が体重で押し付けられる感覚。 不快ではないが快適でもなかった。 帰ろうかな、月。 困難だろう。博麗大結界があるし、うまくそれを突破できても 隠れた月の都を発見するのがまた難しい。そのうえ、月の都が今どこにあるのか 今もまだ存在しているのか、それすら解らないのだ。 帰りたいな、月。 帰れば懲罰ものだ。遅きに過ぎた帰還は月人からしてみれば怒りの対象だろう。 下手をすれば殺されるかもしれない。 恩人と愛する者と、桃源郷を捨ててまで行くべきものだなどとは思えない。 でも、だが、しかし、私は 死というものが身近なのだと知ってしまってから、どうせ死ぬなら天国に行きたいと 地獄に行くのが怖いのだと、そう考えるようになってしまった。 月にいた頃は死など恐れたりしなかった。 死後は何もないと思っていたからだ。何もないなら怖くない。 幻想郷ではそうじゃない。 死後は裁きが待っている。罪深い私など、十中八九地獄行きだろう。 逃れ得ぬ恐怖。怖いのは嫌いだ。 月で懲罰を受けるのと、地獄の沙汰と、どっちがマシだろう? 帰ったところで処刑かもしれない。 帰ったところで都が見つかるとは限らない。 帰ったつもりが地上人に発見されて殺されるかもしれない。 帰ったら生きて戻ってこれないかもしれない。 償却ははやいうちに済ませたほうが罪は軽くて済むのかもしれない。 だが贖罪を済ませて死ねるとは限らないのだ。 月に赴いて死ぬことが無条件で贖罪になるのならいいかもしれないが 私は安寧と安息の地を捨てて、天界に召されるためにのこのこと 死にに行こうなどとは、とても思えなかった。 帰りたいよ、月。 ないものねだり。傲慢で贅沢な悩み。 だが無いからこそ欲する。欲望とはそういうものだ。 それが、一時はあれだけ逃れようと必死だった月であっても。 鈴仙の眼はいつしか、赤銅色から限りなく黒に近いものへと変わり果て、 半開きのそれがじわじわと閉じ、眠りに墜ちつつあった。 どうやって帰ろう、月。 ふいに、背後で物音がした気がした。 いや、物音というほどのものではない。空気が動いた、それくらいの僅かな感覚。 それに反応した鈴仙は上体を起こし、周囲の気配を探りに入った。 唐突に声がかけられる。 「帰りたいの?」 その声にはいやというほど聞き覚えがあった。 初めて会ったのは、あの月隠しの騒動の時、巫女と共にやってきた、あいつだ。 「博麗大結界をどう超えるのかしら」 胡散臭い笑みを浮かべた隙間妖怪が、扇子を広げながら、居た。 腕一本にも満たない距離に、その両の眼と、そしてその後ろの隙間の中にある おびただしい数の瞳が位置し、私を凝視しているのだ。 「どう・・・やって?」 背筋に悪寒がする。 こいつの相手をするのは好きではない。 私の能力を持ってしても、考えていることがちっとも読めないからだ。 隙間妖怪は、私の心の内を知ってか知らずか、こう言ってのけた。 「そう。貴方が決心するところまでの一部始終が面白かったから」 クソ、最初から全部見ていたのか。 「どうにかしようと思えばどうにでもなる筈よ。入れたのだから、出られる」 売り言葉に買い言葉で、虚勢を張ってみて、しまったと思った。 強気に出たのでは苛立っていることを悟られてしまうだろう。 紫は嘲って、こう言った。 「自信、無いんでしょう?怖いわよねぇ、どんな罰が待っているか知れないし」 「罰は覚悟の上よ」 駄目だ、これは私の本心じゃない。ヘタクソな虚勢に間違いない。 完敗だ。波長さえ読めればいつもはこんなミスはしないのに。 あるいはてゐなら、易々やってのけるのだろうが。 「言っておくけどね、貴方が来た時と今とじゃ、博麗大結界の強度は 段違いになっているわ。というか昔はそもそも無かったのだけどね。 あの紅いお屋敷の知識人もいろいろ努力していて面白いけど、貴方だったら・・・」 紫の身体が隙間からにゅるりと這い出て、座布団に座っている私に正面から凭れ掛った。 受肉した存在とは思えないほど冷たい腕が、私の首筋にまとわりつき、そのまま 押し倒される。首筋を撫でる冷たい手の感触に、鳥肌が立った。 「ねぇ、どす黒い瞳をしたか弱い兎ちゃん。どうやって、帰るの?」 紫の手は私の胸と太股を撫で、挑発を囁いていた唇が耳元に吐息をかける。 「や・・・」 背筋に強烈な悪寒を感じる。眩暈と吐き気がした。気持ち悪い。 「やめ・・ろ、何して・・・」 私はこれが自分がヨゴされていく過程であることに気づいていた。 怖かった。抵抗しようとしても恐怖がそれを上回って身体に力が入らない。 「弱った妖怪は抵抗らしい抵抗もできずゆかりんに食べられちゃいました。おわり」 食べる。終わる。 その言葉で、数時間前に考えていた死後の顛末の予測を思い出した。 まだ死ねない、地獄は御免だ。だから月へ戻るんだ! 「こ・・・のッ!!」 私は渾身の力で紫の腕を払いのけ、跳躍し、壁を蹴って三角跳びをこなし、 卓袱台を挟んで紫の反対側に着地した。 ブレザーのポケットからスペルカードを取り出し、それを紫に向かって突きつけ、叫ぶ。 「馬鹿にするな!私が地上人の結界ひとつ破れないとでも思うか!」 虚勢は同じだが、さっきより気合を入れた。眼はもうばっちり赤いはずだ。 紫の波長は相変わらず読めなかったが、これ以上私を穢すつもりなのなら 弾幕で白黒つけてやる。 「あらあら、元気になったわね。ゆかりん可愛い女の子が好きなのに残念だわ」 扇子で口元を隠しながら紫はそう言った。 「博麗大結界は常識と非常識、幻想と現実の境界よ。貴方は常識的で現実の存在かしら?」 虚勢でかまわない。嘘八百でかまわない。私は以前から考えていた脱出法を 心の中から無造作に取り出して、ぶちまけた。 「幻想郷では日が昇り月が沈む。熱があり可視光があり電磁波があり重力波がある。 完全な閉鎖空間なんかじゃない。波長を読み取れる私にはそれが解る!」 一瞬、紫が眉を顰めたように見えた。それは見落としなどではなかったが 私の考えに驚嘆したというものでもなかったようだ。 「そうね、優曇華。私の弟子だけのことはあるわ」 振り向くと、そこでは、てゐが閉めていったはずの襖が開き、師匠が立っていたのだ。 「お久しぶりかしら、八意"Blackjack"永琳」 「私は患者に高額の治療費を請求したりはしないわよ」 師匠は紫を前にしても、いつものポーカーフェイスで、私のように激高などしなかった。 「八雲紫、貴方は数字には強いけど形而上学に弱いわ。この娘は人を狂わすのよ?」 師匠はそう言ってのけた。 それを聞いた紫はさも楽しそうに返答する。 「もしかして唯我論かしら?」 「それも面白いわ。人も妖怪も妖精も閻魔も、幻想郷の全てを狂わせて 『優曇華は月に行った』と認識させてしまえば、それが現実になるわ」 私はそれを聞いてぞっとした。閻魔すら狂わす能力など、私は持ち合わせていないし 仮にそれが実行できたとしても、幻想郷から私の居場所はなくなってしまう。 「面白いこと言うわねぇ・・・でもそれ本気じゃないんでしょ」 それを聞いた紫はからからと笑っていた。楽しそうだった。 妙なことだが、師匠もいつの間にか無表情を解き、少し楽しそうな表情をしていた。 「本当のところはどうなの?」 「それは」 師匠の顔が私を向いた。いつものやさしい表情だった。 「優曇華?貴方の考えていることと同じだと思うわ。説明してやりなさい」 私は師匠と縁側に座っていた。 私の淹れた緑茶は、さっきの飲み残しのように苦くない上出来だった。 それを啜りながら、師匠は月を眺めていた。 私も一緒になって月を眺めた。師匠は私の髪を撫でた。私は師匠の思うままに任せた。 お茶菓子と魔法瓶の中身が尽きたところで、師匠は私に微笑みかけながら 自分の膝をポンポンと叩いた。私は少し気恥ずかしかったが、素直に甘えてみた。 師匠の膝枕はとても暖かかった。紫の体温とは比較にならないほどに。 それを師匠に伝えたら「それは貴方を脅かすためにわざわざ下げてたのよ」と。 考えてみればそうかもしれない。彼女は冬眠するらしいから変温動物なのだろう。 あんなに冷たかったら今頃凍死しているはずだ。 師匠は何も言わず私の髪を撫で、背中を擦ってくれた。 私が月に帰ろうとしていることには何ひとつ触れなかった。 私の師匠は優しかった。 私は師匠が大好きだ。 幻想郷が一種の閉鎖系だとしよう。幻想郷内部に外部からの情報が流入し続ける反面、 情報が内から外に出ないというのであれば、情報保存の法則、ユニタリ性に反する。 幻想となった文物が幻想郷にやってくる、外の世界の人間がやってきて、喰われる、 それらはすべて情報の吸収だ。 幻想郷が量子力学的なパラドックスに陥っていないのであれば、どこかで、 外から吸収した情報に等しいだけ、幻想郷から外への情報の放出がなければならない。 外の世界の人間は、博麗神社に辿りつけば元の世界に戻して貰えるという。 博麗大結界は少なくとも博麗神社からは内部情報を外部に放出することができるのだ。 だが入ってきた人間の一部をそのまま逃すだけでは明らかに不足だろう。 幻想世界に入った情報、それと等価程度の情報の流出がどこかにあるはず。 それに乗ることができれば、幻想郷の外部に出ることができるのかもしれない。 鈴仙の回答はそんなものだった。 師匠も、そして紫も、この答えに満足したようであった。 そして、紫は去り際、それに対する褒賞を残していった。 「幻想郷から運よく脱出できた人間は、体験談を外で話して物狂い扱いされるのよ」 鈴仙は眼から鱗が落ちる思いだった。 確かに、幻想郷にやってきた人間は、幻想郷での体験を記憶として外部へ持ち帰る。 入るものと出るもので、情報量に差があるようにも思えるが 「幻想」となった、イレギュラーな情報の集合を「現物」である人間が常識世界で 話し広める行為は、情報の密度・強度が、外部からの流入とつりあいが取れるほどに 強いのかもしれない。 それでユニタリ性が維持されているというのなら・・・ 「ふふ、それじゃあね」 秘密を呆気なく教えた紫は、次の瞬間には隙間もろともどこかへ去っていた。 出口さえ解ればあとは簡単だ。 私という情報を、外の人間の中に入れて持ち出してしまえばいい。 波長で人を狂わせる私にはそれができるはずだった。 私は、自分自身を存在情報に変換し、波動となり、人間の身体の中に潜りこむ。 素粒子の振動へ情報を伝播させ、保存した情報を使って 結界の外に出てから月兎としての肉体を再構築するのだ。 自分自身がそのまま大結界の外に出るのは非現実的だろう。 博麗の巫女がそれを許さないし、無理に出たところで、今の私は非常識な存在だ。 矛盾によって応力が生じ、最悪、存在が破壊されかねない。 媒体を解さずに存在情報を電磁波として大結界を貫通させる手もあるが その場合は情報がどこに行き着くか解らない。最悪、再生できないまま エネルギー密度を拡散させながら宇宙空間の広範囲に散らばって元に戻れなくなるだろう。 それに対して、素粒子の振動を利用して情報を量子ビットに変換してしまえば 私は「存在している」「存在していない」の重ね合わせの状態になることができ 現実と幻想の境界を超える部分での問題は解決できるのだ。 難点は、私という存在すべては、人間に仕舞えるほど 少ない情報量でできてはいない、ということだった。 宿主の人間にも、巫女にも感づかれず、宿主の生態活動を妨げない領域へ 収まるだけの大きさに、自分自身をダウンサイジングしなければならない。 それも私が目的を果たせる存在に再構築できるだけの情報量を持ちあわせつつ、だ。 神社の境内に二人いた。 「白昼夢みたいだったな。怖い目にも遭ったけれど、得がたい経験だった」 幻想郷に相応しくない服装をした、壮年の男性が、巫女と会話をしていた。 「やりなおす決心ができたよ、元の世界に戻ってもまた頑張れそうだ」 「そう、良かった。でもここのことはすぐ忘れたほうがいいわ。白昼夢だと考えて」 巫女は事務的に術式を構築する。男性は光に包まれ、博麗大結界を超えようとしていた。 「そうしたいところだね。だが紅白のお嬢さん、君への恩だけは忘れない。ありがとう―」 声がだんだん先細りに小さくなり、同時に光に包まれた男性の姿も消えた。 巫女は一仕事終えたというように溜息を吐き、伸びをして、縁側に戻った。 そこには彼女が食べていたはずの煎餅がまだ残っているはずだったのだが、木製の 鉢のような皿には既に煎餅は残っておらず、かわりに金平糖がなみなみと盛られ 隙間妖怪がぼりぼりとそれを喰っているのだった。 巫女は、先ほどのものとは明らかに異質の、呆れたような溜息を吐き、あたかも 株主総会で総会屋にうんざりする代表取締役のような顔をして、尋ねた。 「あの男に何を仕込んだの」 「可愛い娘」 紫はそれだけ言って、金平糖にまた手を伸ばした。 巫女もそれ以上何も言わず、茶を淹れ、一緒になって噛み砕く快感のある甘味を味わった。 何代目になろうが、博麗の巫女の生態は同じだった。 ただし昔のと違って胸が大きかった。紫は隣でたゆんとするそれを見て舌打ちした。 「貴方、夕食用に牛のステーキを買っておいたんだけど」 「そいつは嬉しいな。最近は合成肉ばかりだからな」 「違うわよ、それが無いの」 「無い?」 「冷蔵庫に仕舞っておいたのよ。貴方知らないかしら・・・」 「私が食い意地の張った人間なのは認めるが、四人分も喰えんよ・・・」 「そうよねぇ・・・料理油はそのままだし・・・あら、お醤油も空になってる」 すぐ近くに有機物が豊富にあって助かった。 身体の再構築は思ったよりスムーズに、感づかれることなく、うまくいった。 最悪の場合はあの男の身体をそのまま乗っ取るかと考えていたが 彼らの住居には人間の食糧として、解体された多種多様な動物の肉が山とあったのだ。 自分の身体ひとつ再生するくらい、造作もなかった。 建物の間の暗がりで身体を点検してみた。 私は何者か・・・レイセン、月の兎、逃亡者にして罪人。 私の目的は・・・贖罪のため月に戻ること。 私の能力・・・人を狂わし波長を操る・・・OK、すべて視えるし、掴める。問題ない。 よし。これだけ解っていれば当面は充分だ。 何か大切なことを忘れている気もしたが、思い出せないので考えないことにした。 「わすれないでね、鈴仙様」 「わかってるよ、てゐ」 「貴方は永遠に私のペットよ、因幡」 「仰せの通りに、姫様」 「いつまでも待ってるから、焦らないのよ。優曇華」 「はい、師匠」 もう失うのは怖くない。 待っていてくれる人がいる。私を私たらしめてくれる人がいる。 だから私はもう怖がらない。いかなる仕打ちが待っていようと月に戻ろう。 いかなる道筋になろうと、必ず目的を成し遂げよう。 そう、心に誓った。 立ち上がる。身が軽く、そして五感がはっきりしていた。異質な生命体の中で どっちつかずの存在の状態で休眠していた状態とはまるで違う。 自分自身を取り戻した気がした。 ―自分自身?そういえば以前の自分はどんな存在だったのだっけ? そんな疑問が脳裏をかすめたが、やるべきことを思い出し、すぐ飛ぶ事に集中した。 夜空は雑多な電磁波で埋め尽くされていた。鈴仙はそれらが、地上人の交信波であると すぐに理解した。 地上人の眼をくらますため、すべての電磁的・熱的反射を受けないように 自分自身の位相をずらし、くらませ、月しか見えない夜空へと一気に駆け上った。 地上は明るすぎて夜空には月しか見えない。以前はこんな光景ではなかったのだが・・・ ―以前。さっきからなんだろう?私はさっきまで何処か別の場所に? 鈴仙は幻想郷を出る時に罪を重ねてしまった。 てゐにだけ、嘘をついてしまったのだった。 無理に存在情報のダウンサイジングをするのなら、記憶など無駄なものは真っ先に 排除せざるを得ない。 鈴仙はレイセンに戻り、そしてレイセンですらなくなった。 永琳と輝夜はその頭脳で既に理解に達していて、帰ったら100年かけて覚え直させる などとまで言ってのけたが、てゐにだけは内緒だった。 あの子は悲しむ。兎は寂しがり屋だから、三人で口裏を合わせて嘘をつくことにした。 良い点もあった。地上で経験した記憶がすっかり消えてしまえば、 何をされようと、輝夜と永琳に関する情報が漏れる心配はない。 それは目標を果たすことしか考えられない、記憶を捨てた兎少女であった。 僅かに、紅い眼と、皺のある耳と、長い髪だけが、面影として残っているほかは もう鈴仙・優曇華院・イナバといえるものではなかった。 姿を消したうえで、酔っ払って一人で歩いた男から帽子を奪った。 なんだか罪滅ぼしのために盗みを繰り返しているので本末転倒にも思えたが これでひとまずは、耳を隠すことができる。折りたたんでおけばいいのだから 地上の兎のとは違って便利である。 ただ、この状態では感度が悪く、周辺の波を"視る"ことができなかったが 地上にいる時間はそう長いものではないので、大した問題とは思わなかった。 満月まで待てばいい。そうすれば、月と地上を行き来する扉が開く。 それに乗ってしまえば、あとは一気に月面だ。見慣れた月面、あの無機質な世界に 戻って、そして、生存者がいるかどうか探すのだ。 満月まであと四日、本当なら満月その日に"実行"したかったが、寄生させてくれる 対象がそうは居ないのだから、仕方がなかった。 四日の間どうしよう、地上人の残飯でも漁ってみるか――そんなことを考えながら なんの気なしに夜空を見上げた。そこには満ちつつある月があるはずだった。 そう、あるはずだったのだ。 気圧と温度が急激に下がっていく。 地平線の彼方が徐々に青く明るくなっていくのがわかった。地平線に太陽光が 遮蔽されない高度まで上がってきたのだ。 無論、レイセンはそのような事で動じたりしない。月兎はそもそも月面でも生きられる。 太陽の放射線が直に降り注ぐ月面の環境は、宇宙空間と大して変わらないのだ。 成層圏や亜宇宙に来たくらいでどうなるものではない。 結局、レイセンは月が満ちるのを待たずに地球を発った。 そうせざるを得なかった。月に作られた地上人の施設、軌道エレベータと オービタル・リングなどが、月の欠けた部分をも照らし出し、あるいは満ちた部分に影を 落としていた。これでは満月など発生するわけがない。 やむなく自力で月を目指すことにしたものの、満月の扉を使えないとなれば 第二宇宙速度まで加速しなければならない。 非現実存在である自分を維持するのに膨大なエネルギーを使いながら、 なおかつそこまで加速するのは計算上ギリギリであった。 その時だった。 何か真っ赤に燃え盛るものが自分の左方を物凄い勢いで通過していった。 レイセンは僅かにしか残っていない大気にあっても、なおその衝撃波で吹き飛ばされた。 舌打ちする。すぐ術式を構築しなおして、また重力に逆らって上昇を続けた。 さっきの燃え盛るものが不安だったが、通過しただけで追いかけてくる気配はなかった。 どうやら隕石か、もしくは地上人の降下船らしい。 いつまでもあんなものに気を取られてはいられない。レイセンは先を急ぐことにした。 西には陽光がきらめき、地上を金色に照らし出していた。 そいつは気配もなく、ただ漂っていた。 正確にはそいつらというべきかもしれない。そいつはその中のひとつであり 地球と月の間にある軌道、航路から離れた場所に、ただ放置され 「その時」が来るのを、じっと待っていた。 そいつを作ったものを含め、そいつが「その時」を迎えることを 誰も期待してはいなかった。ただそいつが存在しているだけで 誰もが平穏と安寧を約束されるはずだった。 漂いだしてから十数年目のその日、そいつのセンサーに、電波が届いた。 関係のない電波など日常茶飯事に受け流している。地球と月の間の 双方向通信は膨大だ。 ただ、そのときの電波には、そいつの起動用の暗号コードが含まれていた。 レイセンは背筋に表現しがたい悪寒を感じた。以前どこかで感じたことのある悪寒だった。 それがどこであったのかは、消えてしまった記憶に含まれていなかったが、わずかに 残った記憶の切れ端から、レイセンは、即座に、それが誰かに見られているときのものと 理解した。自分は監視されている、それもどこか近い位置の、敵意を持った者から。 陽光の当たる面と影になる面での温度差が数百度にもなる極限状況でも そいつの外部耐熱装甲は、中の重要な電子機材を劣化させるようなことはなかった。 それらは30年前に設計され、20年前に生産され、10年前に生産が終了した機材であり 十年後にそいつと交代するために、今頃は「次」の開発が大詰めになっている頃だろう。 だがそんなことはどうでもいいかというように、古びた機器は精密時計のように動き出す。 十数年も沈黙していた電装品が一瞬で立ち上がり、センサーを起動して指令された 宙域へレーダーを向け、強力に捜索し、得られたデータが迅速に処理されていく。 同時に、冷却されたシーカーヘッドが赤外線検知を、重力場センサーが重力場による 捜索を開始した。 レーダーの反応は微弱だが、重力場センサーに尋常ならざる反応があった。 しかも、反応は月に向けてゆっくりと移動している。 そいつは、すぐに質問信号を機首のIFFアンテナから反応源へ向けて送信する。 検知位置を、誤差を計算して最大遠距離と見積もった場合の送信時間が経過しても、 また5回の送信の後でも、やはり反応は沈黙したままだった。 それらの情報を統合した結果、そいつの中枢システムは結論を出した。 "Contact is hostile" リアクション・コントロール・システムがガスを噴出させ、姿勢制御を開始し、 後部に搭載されたロケットノズルのカバーが火薬ボルトで吹き飛ばされた。 一瞬送れて、水素燃料がノズルの中で核融合反応を目にも留まらぬ速さで連発し その核反応エネルギーの爆風に乗るかたちで、そいつは猛烈に突進しはじめた。 遠くで何か光った気がした。次いで、その光は光度を増しながら近づいてくる。 そいつは見たことのない波長の光だった。レイセンはさっきの悪寒の正体がこいつだと 本能的に察知した。 「気付かれた?」 レイセンは、限られたエネルギーを遮蔽に配分して、自らの波長をずらし 電波・赤外線に対して透明化したつもりであった。 しかし、幻想存在である彼女が現実空間で空を飛ぶ矛盾を回避するために用いる 莫大なエネルギー、そしてそれを担保する縮退された情報と物質の存在は そこにあるには不釣合いなほどの重力場を発生させ、空間をゆがめていたのだ。 レイセンは必死になって逃れようとした。追ってくる禍々しい光から。 一足でもはやく月に到達しようとした。だがレイセンの力ではこれが限界のようだった。 いびつな光に彩られた月はだいぶ大きく見えるところまできていたが、まだ遠い。 あいつが追いかけてくる恐怖がレイセンの心を揺さぶった。 あいつは何者だろう。忌むべき地上人の手先だろうか。 いや、私はなぜ地上人に追われなければならないのだ。 私は罪を償いに行くだけなのに。 時間の感覚が曖昧になっていく。レイセンはただ恐怖と戦った。 別のことを考えて恐怖から逃避したかったが、記憶を切り捨ててしまったせいで ただいたずらに自分が過去何をしたか思い出そうとするしかなく、だが何も思い出せず、 何も思い出せないのに自分は罪を償いに行こうとしていることに疑問すら抱きはじめた。 = Target relative speed 1500km/s Present acceleration 4G Engage range mark 5000km Count down mark = Engage Count up mark Mastar ARM is on Posture control start ARM photon torpedo select 1 and 2 and 3 Release count down mark = Target lock Weapon 1 release Confirmation Next count mark = Weapon 2 release Confirmation Next count mark = Weapon 3 release Confirmation No weapons Posture control start Secession mode Mastar ARM is off Mode NAV Target relative speed -684km/s Present acceleration 8G = Weapon 1 lose Auto destruction Weapon 2 lose Auto destruction Weapon 3 success = Count up over 要するにそいつは、レイセンに向けて光子魚雷を3回も発射してきた。 レイセンは電磁的な欺瞞と軌道変更で1.2発目の攻撃を回避したが、 反物質による猛烈な爆発の放射線を防御しきるのはムリがあった。 感覚がなくなり、視界がブラックアウトした。電磁パルスの影響で波を視ることも 難しくなり、3発目を避けることができなかった。 至近距離で爆発したその光子魚雷は、レイセンの身体を照らし、焼き、蒸発させ、 そして吹き飛ばして、レイセンだったものを、本来意図していた軌道から逸脱させた。 意識を失ったレイセンがそれに気づくことはなかった。 結構掛かりますね そうね。いつになったら帰ってくるのかしらね どれだけ時間が経ったろう。 レイセンは自分の身体が凍り付いていることを知覚した。 ひどく寒く、そして暗かった。一体何があったのか思い出そうとしたら、悪夢を思い出し 恐怖に苛まれ、今の状況がいっそう恐ろしく思えてならなかった。 覚えていることがあった。自分は月へ行こうとしていたのだ。 幻想郷から這い出て、贖罪を行い、師匠や姫、てゐたちと一緒に平穏な暮らしに 戻れるように、月へ行こうとしていたのだ。 え? レイセンは自分がなぜそんなことを覚えているのか理解できず混乱した。 すべての記憶情報を消して外の世界に飛び出し、あの宇宙船に殺されかけたことも 覚えているのに、同時に幻想郷の記憶があった。 おかしい、こんなことはありえない。ありえないはずだ。 いまだに頭は混乱していたが、とりあえず現状を探ろうともがいた。 身体が動くかどうかチェックしてみたが、筋肉が凍り付いているらしく、うまく動かなかった。 レイセンは奇妙な感覚を覚えた。月面でも宇宙でも普通に動けたこの月兎の身体が 今は凍り付いている。 そんなはずはないのに、一体なぜだろう? さらに時間をかけて、どうにか耳をひろげてみた。片方だけ、それも不完全な状態でしか 残ってはいなかったが、それでもどうにか周囲の状況を把握しようともがいた。 レイセンは愕然とした。自分が太陽光線をほとんど受けていないことに気づいたのだ。 一体これはどういうことだろう。冷蔵庫の中にでも閉じ込められたのだろうか。 地上人に捕らわれたのではないかというその想像は、一瞬後に否定されることになった。 レイセンは自分がいかなる床にも面しておらず、拘束もされていないと知ったからだ。 となれば、自分は宇宙空間のどこかで、太陽光を浴びない場所を浮遊していることになる。 それは、何処だろう? 傷ついた耳を精一杯に伸ばして、レイセンは周囲の電波を探った。 太陽でなくとも近傍の恒星、パルサーなどの位置は電波で解る。それが把握できれば 自分のおおよその位置は理解できるのだ。 レイセンの身体は光子魚雷のエネルギーによって3割を失いながらも、第二宇宙速度のまま 地球軌道を離脱し、一度はその加速で太陽軌道から逃れるような軌道を描いた。 だが、その加速は第三宇宙速度、太陽系脱出速度には及ばなかったため、太陽の重力で 引き戻され、長い長い時間をかけて太陽近傍まで引き戻された。 水星よりも内側へ至ったレイセンの身体は、黒こげだった表面を更に焼かれたが 幸運にも太陽に落下するようなことはなく、スイングバイによって更なる加速をつけ、 ほぼ直角に吹き飛ばされた。 更に長い時間の末、地球軌道を超え、アステロイドベルトを通過し、木星の重力に捕まる こともなくレイセンの身体は移動を続けた。 本来なら彗星のように、太陽を基点とした極端な楕円軌道を永久に続けるはずだった。 レイセンは放心していた。 ここはもう太陽系ではなかった。 一番近い恒星はやはり太陽だったが、冥王星の軌道より遥か彼方まで来ており そしてなおも遠ざかっていた。おそらく1光年は離れただろう。 レイセンは運悪く、海王星で二度目のスイングバイをしてしまっていたのだ。 第三宇宙速度、少なく見積もって秒速16.7km。レイセンは自分の今の速度がおそらく 秒速20km程度だろうと見当をつけた。 毎秒20km? 光速は秒速30万kmだ。 1光年だと大雑把にいって9.5兆kmになる。 レイセンの速度の毎秒20kmは年間25億9200万kmにしかならない。 3500年以上はかかる計算だ。 レイセンは35世紀もの間、凍りついて眠っていたことになる。 仮に同じ速度で今すぐ戻ったとしてもしめて7000年後。 師匠は、姫は、てゐは、幻想郷はそれでもまだ存在しているだろうか。 は・・・はは・・・ あまりにスケールの違う時間が、絶望や悲観といったものを通り越して レイセンの頭脳を刺激した。 月兎が、誰もいない57世紀の深宇宙を浮遊している今の状況が むしろふざけた冗談に思えてきたのだ。 そして記憶を取り戻した理由を理解した。 何も覚えていなければ、使命を果たせない焦燥感だけしか感じない。 自分が苦しむには、苦しんで償うには、幻想郷の記憶が必要だ。 思い出したのは必然だったのだ。 一光年という区切りのいい時間、やけに都合よく進んだスイングバイ。 きっとあの閻魔が、何かしらのかたちで干渉したのだろう。 『今が贖罪の時だ』という声が、やけにクリアに頭の中で再生された。 それが正常な思考に基づくものか、或いは閻魔が自分の居る宙域に 放った情報の中に入っていたものなのか、判別する気も起こらなかった。 涙は出ない。絶対零度に近い極限環境だし、涙腺などとっくの昔に破壊されていた。 おそらく眼球と視神経ごと。耳と脳の一部は機能しても、身体の大部分は動かなかったし 真っ暗で寒いのはいつまで経っても変わらなかった。 本当なら満面の星空の中を泳いでいるはずなのだが、レイセンはそれを視ることはできない。 ただ、傷ついた耳から、おおよその恒星の位置を知るだけだ。 シリウスが、カノープスが、プロキオンが、ベテルギウスが、そして太陽が。 位置は解っても、視ることはできないのだ。 ただ暗黒の中、自分が住み慣れた場所から永久に遠ざかっていくのを知ることだけが レイセンに許されたただひとつの行動であった。 師匠、姫、てゐ、ごめんなさい。約束破っちゃった。 極低温で代謝が低く抑えられたまま、彼女は悠久の時間を飛んでいく。 自分が生きているのか死んでいるのかも解らないで、何時までも、何処までも、飛んでいく。 まるで蓬莱人のように。 「つまり投げっぱなしということですか」 「そう、宇宙の彼方まで投げっぱなし。それはそれは残酷な話ですわ」 うどんげは……二度と幻想郷へは戻れなかった 生物と鉱物の中間の存在となり永遠に宇宙空間をさ迷うのだ そして死にたいと思っても死ねないので、そのうちうどんげは考えるのをやめた ……ディアボロくらいになるとネタになるけど、カーズのラストは純粋にトラウマ物だよなぁ…… -- 名無しさん (2009-01-07 03 28 21) 紫の冬眠が長くなるってSSもぞぞっとしたけど、 やっぱこういう時間+孤独系のSSほど怖いものはないなぁ・・・ -- 名無しさん (2009-01-07 15 35 03) あれ?最後の台詞誰のだ? 仮にレイセンの事言ってるとしたら紫&霊夢か 次点として輝夜&永琳になるよな。 でもどっちにしても違和感が・・・。 それにしても怖い話だ、グロと違う感じで空しくなるよな -- 名無しさん (2009-01-10 11 40 17) ↑すまん、SSとかあんま見たことなかったから。 テンプレだったんですね; -- 名無しさん (2009-01-10 13 17 07) 宇宙ヤバイ -- 名無しさん (2009-01-12 00 53 54) 「幻想郷より慈悲深く、宇宙は全てを受け入れる。幻想郷のそれよりも残酷に」ってとこか -- 名無しさん (2010-02-19 16 37 55) 山田の裁定は相変わらず出鱈目だな。 -- 名無しさん (2010-02-24 03 58 35) すきゃ -- 名無しさん (2014-08-16 10 58 25) 東方いじめスレはギャグだと思って 見てると途中で感慨深くなるなぁ… あと途中ででてきたうどんげ攻撃し てきたやつってなんだったの?理解 力なくてごめん -- 名無しさん (2015-08-21 19 43 06) そしてレイセンは考えるのをやめた。 最後カーズ様が見えてくるんだが... -- 名無しさん (2015-12-03 00 40 34) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/geresurrection/pages/44.html
このページについて 共通事項 攻撃系弾種攻撃系弾種概要 弾丸 レーザー 放射 爆発 散弾 狙撃弾 連射弾 球 補足 補助・装飾系弾種補助・装飾系弾種概要 装飾弾丸/レーザー/放射/爆発 制御 回復系弾種回復系弾種概要 回復弾丸 回復レーザー 回復爆発 回復放射 メモ このページについて | ここはGERに存在する弾の性質をそれぞれ説明するページです。 実際にバレットを組み上げる際の注意事項などは別途ページをご覧ください。 弾の威力に関してはバレットエディットの際に使用されるベース銃身のダメージを参照しています。 また、シナリオを進めなければ開放されない弾種も存在するので注意してください。 共通事項 | 全ての弾に共通して、弾のサイズが大きくなればなるほど使用OPと威力が上がる性質を持っています。 一部弾種に見られる「射程」や「生存時間」に関しても同じように、短ければ短いほどOP消費が低く、長ければ長いほどOP消費が増える仕様となっています。 また、2から銃身毎に特殊な弾の使用が可能になりましたが、今作からそれらの特殊弾種の銃身制限が消失しました。 代わりに一部弾種が銃身毎の消費OP量に変化がみられるようになりました。 スキル「弾丸マスター」はあくまで「弾丸」分類のバレットにのみ有効。散弾や狙撃弾には適用されない(これらを強化できるのは汎用の「銃攻撃力」スキルのみ) 攻撃系弾種 攻撃系弾種概要 | アラガミにヒットするとダメージ判定が発生し、味方プレイヤーにヒットした際にも何らかの影響を及ぼす弾。 銃モードでのダメージソースであり、種類も豊富。 弾丸 ●概要 もっともオーソドックスな弾種。 アラガミは勿論、障害物(味方含む)や地面などに命中しても消滅する。 攻撃系弾種の中で最もバリエーションに富んだ弾種でもある。 ダメージ判定は全種全サイズに共通して貫通のみ。 味方に接触するとのけぞる。 子接続可能。 ●直進 射出者の向いている方へまっすぐに飛ぶ弾。 ●きりもみ弾 直進と同じ軌道を描くが、弾が螺旋回転しながら飛んでいく。 ●湾曲 手前:急激な上昇の後、緩やかに高度を落としていく弾。 中間で:放物線を描き飛んでいく弾。 奥で:ゆるやかな上昇の後、消える間際に急激に高度を落とす弾。 ●回転 射出地点を囲むように円を描く弾。 ●追従回転 子接続された際、親となる弾の軌道に沿って移動する回転弾。子接続しない場合は銃口に追従するため、プレイヤーの移動に合わせて移動する。 ●強ホーミング ターゲットとなったアラガミを追尾する弾。 ●ロケット弾ホーミング ターゲットとなったアラガミを追尾し、時間と共に加速していく弾。 ●重力の影響を受ける弾 射出した位置から重力に従ってゆっくりと落ちていく弾。 名前 サイズ 消費OP 破砕 貫通 備考 直進 SS 3/2/2 0 35 状態異常属性弾有り S 5/3/3 0 50 状態異常属性弾有り M 10/6/6 0 90 L 16/10/9 0 120 きりもみ弾 SS 2/2/3 0 35 S 5/3/3 0 50 M 10/6/6 0 90 L 16/10/9 0 120 湾曲弾 SS 3/2/2 0 35 S 4/4/4 0 50 M 9/8/8 0 90 L 14/13/13 0 120 回転(追従回転) SS 3 0 35 S 5 0 50 M 9 0 90 L 15 0 120 重力の影響を受ける弾 L 16 0 120 LL 35 0 195 強ホーミング L 17/17/22 0 22 ロケット弾ホーミング LL 49 0 195 レーザー ●概要 敵やプレイヤーに命中しても消えずに貫通するのが特徴の弾。地形は貫通できない。 弾丸と並んで扱いやすいものが揃っている。 しかし、ヒットしても判定が残るため、組み込む場合は対消滅に注意されたし。 ダメージ判定は全種全サイズに共通して貫通のみ。 味方に接触するとのけぞる。 子接続不可。 ●直進 射出者の向いている方へまっすぐに飛ぶ弾。 ●きりもみ弾 直進と同じ軌道を描くが、弾が螺旋回転しながら飛んでいく。 ●湾曲 手前:急激な上昇の後、緩やかに高度を落としていく弾。 中間で:放物線を描き飛んでいく弾。 奥で:ゆるやかな上昇の後、消える間際に急激に高度を落とす弾。 ●回転 射出地点を囲むように円を描く弾。 ●追従回転 子接続された際、親となる弾の軌道に沿って移動する回転弾。子接続しない場合は銃口に追従するため、プレイヤーの移動に合わせて移動する。 ●強ホーミング ターゲットとなったアラガミを追尾する弾。 名前 サイズ 消費OP 破砕 貫通 備考 直進 SS 3/2/2 0 35 特になし S 5/3/3 0 50 M 10/6/6 0 90 L 16/10/9 0 120 きりもみ弾 SS 2/2/3 0 35 S 5/3/3 0 50 M 10/6/6 0 90 L 16/10/9 0 120 湾曲弾 SS 3/2/2 0 35 S 4/4/4 0 50 M 9/8/8 0 90 L 14/13/13 0 120 回転(追従回転) SS 3 0 35 S 5 0 50 M 9 0 90 L 15 0 120 強ホーミング L 17/17/22 0 22 放射 ●概要 飛距離は短いものの、射出場所から一定区間にかけて数秒間判定が残るのが特徴の弾。 何に当たっても消滅せず、地形も貫通する。 判定自体は一定時間継続するものの、ヒット判定は一度のみ。 発射と同時に当たり判定が根元から先端まで発生するが、先端部分が優先して当たる特性がある。 味方プレイヤーにヒットした際は、吹き飛ばしが発生する。 NPCのカノンが主に使用する弾もコレ。 ダメージ判定は全属性全サイズに共通して破砕のみ。 子接続不可。 ●通常 使用すると射出地点から向いている方向に対して一定時間攻撃判定を発生させる。 こちらの弾は射出した対象が、その時点でいた場所に留まる性質をもつ。 ●通常/味方に命中しない 味方に接触しても吹き飛ばしが発生しない放射/通常。 上述の弾と比べてOP消費が大きい。 ●追従 使用すると射出地点から向いている方向に対して一定時間攻撃判定を発生させる。 こちらの弾は射出した対象の動きにリアルタイムで同期する性質をもつ。 ●追従/味方に命中しない 味方に接触しても吹き飛ばしが発生しない放射(追従)/通常。 上述の弾と比べてOP消費が大きい。 名前 サイズ 消費OP 破砕 貫通 備考 通常(追従) L 16 120 0 LL 100 580 0 通常(追従)/味方に命中しない L 19/18/19/22 120 0 OP消費欄はアサルト/ショットガン/スナイパー/ブラストの順に記述 LL 120/110/120/135 580 0 OP消費欄はアサルト/ショットガン/スナイパー/ブラストの順に記述 爆発 ●概要 全弾種中で最も瞬間火力が高く、OP消費が多い弾。 何に当たっても消滅せず、地形も貫通するが、ヒット判定は1回のみ。 放射と違い、発射地点から当たり判定が時間とともに拡大するため、爆心地に近い部位に優先して命中する。 味方プレイヤーにヒットした際は、吹き飛ばしが発生する。 物理属性は全属性全サイズ共通して破砕のみ。 子接続不可。 ●通常 発生位置から球状に判定の広がる弾。 ●通常/味方に命中しない 味方が接触しても吹き飛ばし判定を発生させない「爆発:通常」。 上記のものと比べてOP消費量が跳ね上がる。 名前 サイズ 消費OP 破砕 貫通 備考 通常 L 75 500 0 LL 150 850 0 通常/味方に命中しない L 90/83/90/101 500 0 OP消費欄はアサルト/ショットガン/スナイパー/ブラストの順に記述 LL 180/165/180/203 850 0 OP消費欄はアサルト/ショットガン/スナイパー/ブラストの順に記述 散弾 ●概要 ヒットした場所とプレイヤーとの位置関係でダメージが増減する弾。 近ければ近いほどにダメージは上がり、離れているほどにダメージは低くなる。 射出地点の根元~先端でダメージが変わるわけではなく、あくまでプレイヤーとの距離がダメージの増減にかかわる点に注意。 全属性で唯一貫通と破砕両属性を持ち合わせている。 子接続不可。 ●通常 放射状に判定の広がっていく弾。 リーチ自体は短いものの、巻き込みは性能はそれなり。 しかし、巻き込めても散弾の性質からダメージはあまり出ない。 ●至近距離特化 消費OPが増加し、火力の高い散弾。 至近距離でヒットした際には通常の約1,4倍の火力を叩き出すことが可能。 ただし、距離による威力の減衰が通常と比べて非常に顕著。 難易度5解放後、バレットエディットに追加。 ●通常/味方に命中しない 味方プレイヤーとすれ違ってもヒットしない散弾/通常。 OP消費が若干多い。 ●至近距離で命中時に敵防御無視 消費OPが増加し、至近距離でヒットした際に肉質を一定程度無視する散弾。 難易度5解放後、バレットエディットに追加。 名前 サイズ 消費OP 破砕 貫通 備考 通常 M 16 95~9 95~9 ダメージ欄は近~遠の順に表示 至近距離特化 M 26/19/29/22 95~9 95~9 OP消費欄はアサルト/ショットガン/スナイパー/ブラストの順に記述 通常/味方に命中しない M 19/18/19/22 95~9 95~9 至近距離で命中時に防御無視 M 26/18/22/22 133~10 133~10 狙撃弾 ●概要 発生地点から射出者の向いてる方向に飛ぶ弾。 弾速・飛距離が他弾種に比較にならないほど優秀だが、判定が非常に小さい。 また狙撃弾は”射程切れ”が”自然消滅扱いではない”、かわりに”射程切れ”は”衝突”として扱われる。 飛距離にかかわらず同じ時間で着弾する(おそらく)性質のせいで、他の弾とは異なった内部処理がされているためだと思われる。 他の弾に触れても交差消滅しない性質を持つため、ダメージ効率は悪くなるが同時発射も可能。 子接続不可 ●クリティカルにより敵の防御弱体化 スナイプクリティカル時、アラガミの肉質を軟化させる弾。何発か撃ち込む必要がある。 その性質上、スナイパー以外の銃身では追加効果が発動しない点に注意。 難易度4解放後、バレットエディットに追加。 ●発射地点からの距離で威力強化 アラガミとの距離が離れれば離れるほど火力のあがる狙撃弾。 近いと通常のものよりも消費OPがかさむものの、最大距離でヒットさせた際は二倍以上の火力に跳ね上がる。 難易度4解放後、バレットエディットに追加。 名前 サイズ 消費OP 破砕 貫通 備考 通常 S 13/14/12/16 0 95/90 OP消費欄はアサルト/ショットガン/スナイパー/ブラストの順に記述 M 28/30/25/33 0 190/180 ダメージは無属性/属性有の順に記述 クリティカルにより敵防御弱体化 S 38/40/30/45 0 190/180 発射地点からの距離で威力増加 M 35/50/30/50 0 144~398/136~376 ダメージは無属性/属性有の順に、最小火力~最大火力を記述 連射弾 ●概要 全攻撃系弾種の中で最も威力の低い弾。 特殊能力としてヒットした際にOPを回復する効果があり、特に消費OP0の無属性連射弾を上手く使えば、バレットの燃費効率を改善できる。 ただし、オラクルバレット内の複数モジュールに連射弾がつけられていた場合でも、回復判定が発生するのは最初の一発のみ。 難易度5解放後、一発のオラクル回復量が2から3へと変化する模様。 他の弾に触れても交差消滅しない性質を持ち、子接続も可能なので、敵に当たると消滅する装飾弾のような使い方も可能。 弾速はSサイズ弾丸(レーザー)よりも速いため、同時発射で連射弾よりも速く着弾する弾種は、弾速で上回るSSサイズ弾丸(レーザー)と、発射と同時に着弾する狙撃弾、放射の4種類に限られる。 名前 サイズ 消費OP 破砕 貫通 備考 通常 S 0/4 0 5/25 OP消費欄・威力欄共に無属性/属性弾の順に記述 球 ●概要 推進力の無い弾。 二種類の弾傾向が存在するが、単体で射出した場合は双方に共通してその場に留まる性質がある。 敵アラガミにヒットした際も、ダメージはあまり高く無い。 あくまでも、この弾の本質は他弾種の継ぎ目や砲台として使える点にある。 ただし、弾自体に攻撃判定があるせいで「爆発」や「放射」など根元付近にも判定のある球を子接続すると交差消滅する点に注意。 子接続可能。 ●その場で静止 発生した場所で静止する弾。 何かにヒットすると消える。 ●敵に貼り付く 発生するとその場に留まり、アラガミに触れるとヒットした部位に付着する弾。 アラガミがいかほど動き回ろうと、効果時間のうちは付着した位置から剥がれ落ちることはない。 名前 サイズ 消費OP 破砕 貫通 備考 その場で静止 M 2 0 23 敵に貼りつく M 2/3/6/20 0 23 消費OP欄には、生存時間の短/普通/長/極長の順番に記載 補足 ●状態異常弾について いわゆる属性「毒」や「麻痺」のカテゴリーに含まれる弾。 これらはサイズによって攻撃力が変化すると共に、状態異常属性付与率も大きく変わる。 サイズが小さいほうがOPも小さくてお得と思われがちだが、サイズMのものを使用した方がOP効率的にも付与にかける時間も遥かに短い。 ちなみにサイズがMのものを使用するとしても、状態異常付与に至るまでの時間は近接武器と比べて遥かに多く必要となることに注意されたし。 補助・装飾系弾種 補助・装飾系弾種概要 | 地形以外への当たり判定が存在しない(アラガミや味方に命中せず透過する、交差消滅が発生しない)、子接続可能という共通の性質を持つバレット群。 上記以外の性質は対応する通常弾種と同じ。 主に攻撃バレットを活かす目的で使われるが、OP消費の低さから、オラクルバレットの見栄えをよくするためにも一躍かうことが多い。 「装飾~」とついた弾丸はバリエーションも軌道も上記のものと同じため、各項での説明は表のみとさせていただきます。 各弾の有効な使い道などは別途ページ「バレットエディットのすゝめ」をご覧ください。 装飾弾丸/レーザー/放射/爆発 名前 サイズ 消費OP 破砕 貫通 備考 直進 SS 2/1/1 0 0 OP消費欄は射程:長/短/極短の順に記載 S 2/1/1 0 0 M 2/1/1 0 0 L 3/2/2 0 0 きりもみ弾 SS 2/1/1 0 35 S 2/1/1 0 0 M 2/1/1 0 0 L 3/2/2 0 0 湾曲弾 SS 2/2/2 0 0 S 2/2/2 0 0 M 2/2/2 0 0 L 2/2/2 0 0 回転(追従回転) SS 2/2/2 0 35 S 2/2/2 0 0 制御 発生すると弾のサブ属性に応じた挙動を一定時間行う弾。 攻撃弾を打ち出すための砲台として扱われることが多い。 上記の「球」とよく似た扱われ方をするが、こちらの場合は当たり判定が存在しないのが特徴。 ●その場で静止 その場に一定時間留まる性質を持つ当たり判定の無い球を発生させる。 ●追従 親接続された弾の軌道に沿って移動する当たり判定の無い球を発生させる。 ●敵の方を向く その場に一定時間留まり、アラガミの方を向く当たり判定の無い球を発生させる。 ●上を向く その場に一定時間留まり、上を向く当たり判定の無い球を発生させる。 ●下を向く その場に一定時間留まり、下を向く当たり判定の無い球を発生させる。 ●その場で回転 その場に一定時間留まり、回転する判定の無い球を発生させる。 回復系弾種 回復系弾種概要 ここでは射出者以外のプレイヤーにヒットするとHPが回復する弾種について説明していきます。 回復弾丸 ●強ホーミング 味方はもちろんアラガミにヒットしても消滅する回復系弾種。 後述のレーザーと比べて消費が少ないが、回復量も少ない。 サイズの増加に伴って回復量も増加する。 自動で付近の味方を追尾する。 回復系弾種の中で、唯一の子接続が可能な弾種。 難易度5解放後、状態異常回復・攻撃力強化・防御力強化弾追加。 回復レーザー ●強ホーミング 基本は回復弾丸と一緒だが、こちらはアラガミなどをすり抜けて味方にヒットする。 また、複数の味方にヒットした際はヒットした味方全員を回復する。 弾丸と比べると消費OPは少々大き目だが、回復量も弾丸の1,2倍となっている。 難易度5解放後、状態異常回復・攻撃力強化・防御力強化弾追加。 回復爆発 発生した地点を中心に、球状に広がって味方を回復する弾。 回復量も範囲もでかいが、使用OPも桁外れに大きい。 難易度5解放後、状態異常回復弾追加。 回復放射 ●通常 味方やアラガミに当たっても消滅しないが、飛距離の短い回復系弾種。 こちらは発生した場所に留まり、発生した時点で向いていた方向へ向かって弾を発射するのが特徴。 難易度5解放後、状態異常回復弾追加。 ●追従 味方やアラガミに当たっても消滅しないが、飛距離の短い回復系弾種。 こちらは親接続された弾の動きにリアルタイムで同期する性質を持つ。 難易度5解放後、状態異常回復弾追加。 メモ 編集に関する意見の他、説明が分かりにくい点や間違ってる点の指摘などもお願いします。 長距離弾のダメージ上限を訂正しました、間違っていたらすみません。 - 名無しさん 2015-11-02 22 19 44 連射弾のOP回復効果、難易度5解放でOP3回復って書いてあるけど間違いじゃないかな?今難易度8で、検証したら回復量は2のままなんだけど… - 名無しさん 2016-01-05 21 22 52 間違った解釈がバレット作例に書いてあったので、狙撃弾の消滅判定についてこちらの弾種説明に書いておきました。 - 名無しさん 2016-05-30 17 57 17 狙撃弾2種、難易度4どころかプレイして最初から使えるのはどういう事だ?トロフィーが関係してるのか? - 名無しさん (2018-08-14 18 34 50) 名前
https://w.atwiki.jp/godeaterburst-wiki/pages/231.html
◆基本データ 名前 各種属性 Chip 消費OP 費用 備考 テンプレ弾 破砕 000 貫通 000 属性 000 合計 000 00 00 0000fc テンプレ用 ◆バレットの構成 No サイズ 弾種 発射条件 水平 垂直 備考 1 S 制御:生存時間が短く敵の方を向く弾 ボタンを押したら 2 ├M 弾丸:射程が短い弾 1と同時に 3 └L レーザー:射程が短い弾 1の発生から1.0秒 4 5 6 7 8 ◆備考 特徴やコンセプト、改造指針などを記載。
https://w.atwiki.jp/touhoukashi/pages/6304.html
【登録タグ AQUA STYLECD CD CDめ】 サークル:AQUA STYLE 01 overtrue 02 不思議の幻想郷 03 博麗神社 04 人間の里 05 香霖堂 06 泥棒 07 平原 08 百鬼夜行 09 魔法の森 10 太陽の畑 11 霧の湖 12 百万鬼夜行 13 迷いの竹林 14 妖怪の山 15 天界 16 白玉楼 17 永遠亭 18 紅魔館 19 幻想郷、まるごと超決戦! 20 another face 21 不穏な空気 22 深淵へ 23 戦慄! 24 決戦!超東風谷人 25 敗北! 26 休憩! 27 邂逅への宴 28 成長! 29 幻想郷、まるごと超決戦! - JiNG Remix - 30 達成! 31 another face - piano arrange -
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/15541.html
バレット・クロスボーダー + 目次 概要 登場作品レイズ 関連リンク派生技 関連技 ネタ 概要 バレット・クロスボーダーとは銃と刀を持つ二人の連携が華麗な火花を散らせる魔鏡技。 初出はレイズのアルヴィン。 ▲ 登場作品 レイズ 習得者 アルヴィン 銃と刀を持つ二人の連携が華麗な火花を散らせる。敵に疲労付与 分類 コラボ魔鏡 属性 火 HIT数 10 消費MG 110 威力 1356→1870 詠唱時間 - 習得条件 魔鏡「町の万事屋」を入手 発動条件 MG満タンの状態で発動 追加効果 疲労付与 強化1 ダメージが10%上昇 強化2 ダメージが10%上昇 強化3 ミラージュレシオが追加で5%加算 強化4 ダメージが10%上昇 強化5 ミラージュレシオが追加で5%加算 アルヴィンが跳弾も利用した銃撃を放った後、坂田銀時が木刀で追い打ち。アルヴィンと銀時が同時に斬り上げて敵を打ち上げた後、アルヴィンは炎を纏った銃弾、銀時は木刀から青いビームを同時に放ち、敵を華麗な火花として散らせる。 カットイン演出は砲牙地連陣と同じ。 なお、「魔鏡技!」の部分の台詞はアルヴィンの「手加減は無しだ!」になっている。 台詞 発言者 台詞 備考 アルヴィン ぶっ放すぜ! 銀時 合わせてやんよ! アルヴィン ふん! 二人同時に言う 銀時 おらぁ! アルヴィン バレット・クロスボーダー!! 二人同時に言う 銀時 なんかすっごい攻撃!! + 魔鏡イラスト 「さて、ちゃっちゃとお仕事片付けてきますか」 ▲ 関連リンク 派生技 ▲ 関連技 バレット・クルシフィクション ▲ ネタ 中の人が同じキャラでの連携攻撃。こんな見た目だがクロスオーバー魔鏡ではない。 ▲
https://w.atwiki.jp/ge2rb/pages/811.html
叩きつけ ◆基本データ 名前 要求BBLv 攻撃力 消費OP 叩きつけ Lv9 破砕 000 貫通 713 合計 713 39 ◆バレットの構成 No サイズ 弾種 発射条件 水平 垂直 回転 変異チップ 備考 1 M 狙撃弾:狙撃弾/通常 ボタンを押したら +117 -16 被喰弾 2 ├SS レーザー:直進/短 1と同時に -116 -7 超長距離弾 3 ├SS レーザー:湾曲/手前で 1が何かに衝突時 -119 -7 -85 超長距離弾 4 ├SS レーザー:湾曲/手前で 1が何かに衝突時 -119 -7 -78 超長距離弾 5 └SS レーザー:湾曲/手前で 1が何かに衝突時 -119 -7 -92 超長距離弾 6 ◆解説 狙撃弾Mの火力を乗せたSSレーザー4本をまとめて叩きつけるバレット。SSレーザーに付けた超長距離弾は消費OP0で効果を発揮しているため、外さない方が良い。 平地で使用すると向かって右側に狙撃弾を撃ち込んだ後、戻ってきたレーザーがプレイヤーの正面で湾曲して正面へと飛んでいく。 狙撃弾が障害物に当たるとレーザーの軌道が左にずれるため、狭い場所では狙いがずれたりレーザーが壁に当たったりして少々使いにくいのが難点。
https://w.atwiki.jp/hushigigensou/pages/13.html
【トップページ】 下にジャンプ ふし幻シリーズwiki ふし幻TOD アナ幻 みら超・超プラ ふしクロ みらパ・みらプラ ふし幻・さな超(当wiki) もし幻・もしプラ 【はじめに】 ┣Q&A ┣初心者向け攻略の手引き ┃┣初心者のマヨヒガ(1)/(2) ┃┣初心者向けふし幻縁起 ┃┗ダンジョン立ち回り講座 ┣テクニック集 ┗動き方講座 【その他】 ┣インストール方法 ┣パッチの当て方 ┣パッチの当て方(もし幻用) ┣パッチ変更点 ┣パッチ変更点(もし幻用) ┣不具合(ふし幻・さな超用) ┣不具合(もし幻用) ┣AAまとめ ┣練習用ページ ┗未使用ページ一覧 不思議の幻想郷 【ダンジョン】 ┣隙魔城 ┣博麗神社の古井戸 ┗博麗神社の裏庭(Ver1.20) 【アイテム】 ┣武器/防具/お守り ┣薬/スペルカード ┗お札/スキマ/その他 【データ】 ┣モンスター ┣ボス ┣モンスターハウス ┣弾幕 ┣罠 ┣状態変化 ┣経験値テーブル ┣ふし幻アイテム値段表 ┣博麗神社 ┣香霖堂 ┣その他の施設 ┣会話データ ┣幻想郷縁起 ┗文々。新聞 【TIPS】 ┣雪女のパーフェクト鑑定教室 ┣敵のPOPについて ┣敵の特殊能力発動位置考察 ┣変化のスキマ結果表 ┣攻撃力増減の不思議 ┣HPのいろは(Ver1.15) ┣霊夢の防御力について ┗(アイテムの並び順)※現在使用不可 さなえの超特急 【ダンジョン】 ┣スキマエクスプレス(115系) ┗超スキマエクスプレス(205系) 【アイテム】 ┣武器/防具/お守り ┣薬/スペルカード ┗お札/スキマ/その他 【データ】 ┣モンスター ┣モンスターハウス ┣弾幕 ┣罠 ┣状態変化 ┣経験値テーブル ┣さな超アイテム値段表 ┣会話データ ┗文々。新聞 もし幻プロローグ 【メインページ】 ┗もっと、ふし幻プロローグ 【ダンジョン】 ┣修練の古井戸 ┗神社の大穴 【アイテム】 ┣武器/防具/お守り ┣薬/調合/スペルカード ┗お札/スキマ/その他 【データ】 ┣モンスター ┣ボス ┣モンスターハウス ┣弾幕 ┣罠 ┣状態変化 ┣経験値テーブル ┗文々。新聞 その他 アタイの幻想郷 TAランキング 不思議の幻想郷Ver1.丁 もっと、不思議の幻想郷体験版 もっと!?アタイの幻想郷 以下旧コンテンツ (移転終了次第削除予定?) 新wiki閲覧不可の方のための保存用 もっと!?不思議の幻想郷 元ネタ 検索 and or アクセス数 今日: - 昨日: - 合計: - 上にジャンプ 更新履歴 取得中です。 ここを編集